新編『千夜一夜物語』第二百四十七夜
私の名前はシェヘラザード。大臣の娘で、妹はドゥンヤザード。サーサーン朝ペルシャのシャフリヤール王のハーレムに暮らす宮女や。今夜は二百四十七夜目。ここんとこ、二百三十七夜から二百四十六夜まで、王はんの女性への憎悪が少しずつ和らいできたように見えてた。私の話が彼の心に響いてるんか、アミナはんの言うた「ヒビ」が広がってるんか、毎夜の話の後にドゥンヤザードに触れる手も、ちょっと優しくなってた気がしてたんや。けど、今夜、全部がひっくり返った。ほんまに命がけやわ、首ちょんぱの恐怖がまた目の前に迫ってきたんやから!
その夜、王はんがいつものように私の寝室にやってきた。豪華な絹の衣をまとって、腰に剣を下げた姿やけど、目はどこか穏やかで、燭台の光に照らされた顔に少し笑みが浮かんでた。私は薄絹の寝衣を纏って、胸元が開いた姿でベッドに腰かけてた。燭台の光が私の肌を照らして、薄布越しに乳首の形が浮かんで見える。横にはドゥンヤザードが薄いドレスを着て座ってて、彼女の白い脚がいつもより落ち着いて見えた。王はんは私を見て、それからドゥンヤザードに目をやって、「お前ら姉妹、毎夜ようやってるな」と珍しく褒めるような口調で言った。
「なぁ、王はん。今夜もええ話、用意してるで。聞きたいやろ?」私は柔らかく声をかけ、膝を少し開いて寝衣の裾を太ももまで滑らせた。白い肌が光に照らされて、王はんの目がそこに吸い寄せられる。
「ほぉ、シェヘラザード。お前さんの話は最近、心に響くな。昨日の精霊の試練もおもろかった。今夜はどうや?」王はんは剣の柄に手を置かず、私の隣にどっかり座った。そんで、ドゥンヤザードに目をやって、「お前もええ女や。話に付き合うだけやなくて、わしの心を和らげる力があるな」と言いながら、彼女の肩にそっと手を置いた。
私は話を始めようとした。「昔々、ある砂漠の王が…」って口を開いた瞬間、ドゥンヤザードが急に立ち上がった。「姉ちゃん、待って。王はん、私、今夜は話より、もっといいことしてあげたいわ」と、彼女が突然言うたんや。私は「なんやて!?」って目を丸くしたけど、ドゥンヤザードは王はんの前に跪いて、薄いドレスの肩紐を自分で滑らせた。白い肩が露わになって、燭台の光に照らされた肌が淫らに輝いてた。
「なぁ、王はん。私、毎夜触られて、体がどんどん敏感になってしもて…もう我慢できへん。もっと気持ちようしてほしいんや」と、彼女は熱っぽい目で王はんを見上げた。王はんは一瞬驚いて、「おお、ドゥンヤザード、お前がそんな気分か?」と笑ったけど、その笑顔がすぐに凍りついた。
ドゥンヤザードは王はんのズボンに手を伸ばして、硬く膨らんだ股間を掌で握った。「昔、王はんの愛した女が、奴隷と絡み合ったみたいに、私も…」って囁きながら、王はんの男根をズボン越しに熱く擦った。そんで、薄いドレスの裾をたくし上げて、白い太ももを広げて見せつけ、「弟の王の妻が乱交したみたいに、私も王はんと乱れたい」と喘ぐように言った。王はんの顔がみるみる青ざめて、目が血走った。
「何やて…?」王はんは低く唸って、ドゥンヤザードの手を振り払った。けど、彼女は止まらへん。「ジンの女が王はんを抱いたみたいに、私も…」って、ドレスを脱ぎ捨てて裸に近い姿になり、王はんの首筋に唇を這わせた。汗と唾液で濡れた唇が王はんの肌に吸い付いて、彼女の腰が淫らに揺れてた。王はんの目が過去の裏切り——王妃の不貞、弟の妻の乱行、ジンの女の誘惑——を一気に思い出したみたいに、ギラギラ燃え上がった。
「この淫女が!裏切り者の血が流れてるんか!」王はんは怒りに震えて、腰の剣を抜いた。私は「王はん、やめて!」って叫んだけど、彼はドゥンヤザードの髪を掴んで引きずり、ベッドから床に叩きつけた。「お前もわしを裏切る気か!女はみな不実や!」って叫んで、剣を振り上げた。
ドゥンヤザードは床に転がって、「王はん、ごめん…でも、体が…」って泣きながら呟いたけど、王はんは聞く耳持たへん。「宦官を呼べ!こいつの首を刎ねる!」って大声で命じた。扉が開いて、黒い衣を着た宦官が二人入ってきた。「王の命に従い、こいつを断頭台へ!」王はんはドゥンヤザードの腕を掴んで宦官に引き渡した。
私は頭が真っ白になって、「ドゥンヤザード!」って叫んだ。彼女は引きずられて、寝室の外にある石の台座に連れて行かれた。宦官が彼女の首を台に押し付けて、剣を構えた。ドゥンヤザードは震えながら、「姉ちゃん…助けて…」って涙を流した。王はんは冷たい目でそれを見て、「斬れ!」って命じた。
その瞬間、私の頭がフル回転した。首ちょんぱは絶対に避けなあかん!私は急いで王はんの前に立ちはだかって、膝をついた。「王はん、待ってくれ!ドゥンヤザードを斬る前に、私の話を聞いてくれへんか?今夜の話は、王はんの心を救う話や。もしこれで王はんの怒りが収まらんかったら、私の首も一緒に刎ねてくれ!」って懇願した。
王はんは剣を握ったまま、「何やて?お前までわしを試す気か?」って睨んだけど、私は目を逸らさへん。「王はん、私の話は精霊の続きや。海の精霊が王様に試練を与えた後の話や。聞いてくれな、ドゥンヤザードの命も、私の命も、王はんの心も、全部失うだけやで」と必死に訴えた。
王はんは一瞬躊躇して、「…しゃあない、話せ。けど、つまらんかったら二人とも首や」と剣を下ろした。私は息を整えて、話を始めた。「精霊が消えた後、王様は水浸しの宮殿で一人残された。そしたら、海から小さな貝殻が浮かんできて、王様の手元に流れ着いたんや。その貝殻が突然開いて、中から王様が昔愛した女の声が聞こえてきた。『お前が憎しみに囚われたせいで、私もお前も苦しんだ。せやけど、今ならまだやり直せる』って」
王はんは目を細めて、「何や…その声は…」と呟いた。私は続ける。「王様はその声に震えて、貝殻を握り潰そうとしたけど、手が止まった。そしたら、海が静かになって、町を飲み込む波が引いていったんや。王様は初めて、自分の憎しみが自分を縛ってたことに気づいた。精霊は試練やなくて、救いの手を差し伸べてたんや」
王はんは黙って私を見つめて、剣を床に落とした。「…お前、いつもわしを惑わすな」と呟いて、宦官に「こいつを解放しろ」と命じた。ドゥンヤザードは台座から解放されて、私に抱きついてきた。「姉ちゃん…ありがとう…」って泣きながら言うた。私は彼女を抱きしめて、王はんを見た。
「王はん、心の傷は深いけど、全部憎しみに変える必要はないんやで。また明日、続きを聞かせてくれへんか?」私は静かに言った。王はんは目を伏せて、「…明日や」とだけ言って、怒りを胸に抱えたまま寝室を出て行った。
夜更け、王はんが去った後、私はドゥンヤザードをベッドに座らせて、叱った。「あんな淫らなことして…何考えてたんや!王はんの過去を思い出させるなんて、首ちょんぱされるとこやったやろ!」って。
ドゥンヤザードは目を潤ませて、「ごめん、姉ちゃん…でも、体がどんどん敏感になってしもて…毎晩、王はんに触られて、熱くなって、頭がぼーっとして…我慢できへんかったんや」と言い訳した。彼女の頬はまだ赤くて、手が震えてた。
「どんな風に敏感になったんや?」私は眉を寄せて聞いた。そしたら、ドゥンヤザードは急に立ち上がって、「姉ちゃんもやられてみたら分かる!」って、私の腕を掴んだ。彼女の細い指が私の胸元に触れて、薄絹の寝衣越しに乳房をそっと押した。私は「何!?」って驚いて手を払おうとしたけど、ドゥンヤザードは「ほら、こうやって触られると、体がビクってするやろ?」って、私の乳首を指先で軽く摘んだ。
「ドゥンヤザード、やめなさい!」私は慌てて彼女の手を振り払ったけど、体が確かに熱くなって、心臓がドキドキした。「…確かに、ちょっと分かる気もするけど、こんなん王はんにやったらあかんやろ!」って私は息を整えた。
「そやけど、姉ちゃん、私、もう自分を止められへんかったんや…」ドゥンヤザードは膝に顔を埋めて泣いた。私はため息をついて、「しゃあないな。けど、次は絶対あんなことせえへんように、私がもっと気を引く話考えるわ」と彼女の頭を撫でた。
こうして、二百四十七夜はなんとか命拾いしたけど、王はんの心はまた憎しみに傾いてしもた。ドゥンヤザードの操も、私の首も、まだ危うい。明日からまた、頭をフル回転させて、首ちょんぱを避けなあかんわ。ほんま、疲れるけど、頑張るしかない!
登場人物
【第二百三十五夜 壱、弐】の登場人物
◯シェヘラザード:
大臣の娘で、サーサーン朝ペルシャのシャフリヤール王のハーレムに暮らす宮女。物語の語り手であり、毎夜王に面白い話を聞かせて命をつなぐ。妹ドゥンヤザードと共にネタ集めに奔走する。
◯ドゥンヤザード:
シェヘラザードの妹。ハーレムで姉の話に付き合い、王の興味を引く役割も担う。可愛らしい外見と純粋さが強調され、姉と共に首ちょんぱの危機に直面する。
◯シャフリヤール王
サーサーン朝ペルシャの王。女性不信から毎夜処女と結婚し翌朝処刑する狂気の習慣を持つ。シェヘラザードの話に興味を示しつつ、ドゥンヤザードにも手を出す欲望を見せる。
【第二百三十六夜の早朝 壱、弐(そんな理由が!)】の登場人物
◯アミナ
ハーレムの最古参の女性。白髪でシワ深い老婆だが、かつては美人だった。王の過去を知る人物として、シェヘラザードに陰惨なエピソードを語る。
◯王妃(シャフリヤールの妻)
アミナの回想内の人物。絶世の美女で、王に愛されていたが、奴隷との不貞行為が発覚し、王に殺される。第一の裏切りを引き起こす。
◯黒檀の肌を持つ奴隷
アミナの回想内の人物。王妃の愛人。庭園で王妃と情事を楽しむが、王に首を斬られ死亡。
◯シャーザマーン王
シャフリヤールの弟で、別の王国の王。アミナの回想内で登場。妻の裏切りを経験し、兄と共に女性不信に陥る。
◯シャーザマーンの妻
アミナの回想内の人物。夫の留守中に十人の男と乱交にふけり、シャーザマーンに全員殺される。第二の裏切りを引き起こす。
◯十人の奴隷と下僕
アミナの回想内の人物。シャーザマーンの妻と乱交に参加し、シャーザマーンに斬殺される。
◯ジン(魔神)
アミナの回想内の人物。巨大で緑色の肌を持つ超自然的存在。美女を囚えているが、眠ると彼女に裏切られる。
◯ジンの女(美女)
アミナの回想内の人物。ジンに囚われた絶世の美女。ジンが眠る間に百人以上の男と関係を持ち、シャフリヤールとシャーザマーンを誘惑する。第三の裏切りを象徴。
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