新編『千夜一夜物語』第二百三十六夜

 私の名前はシェヘラザード。大臣の娘で、妹はドゥンヤザード。ササン朝ペルシャのシャフリヤール王のハーレムに暮らす宮女や。今夜は二百三十六夜目。昨日は「魚が王様に会う話」でなんとか王はんの興味を引いて、首ちょんぱを免れたけど、ほんまに命がけやわ。今朝、アミナはんに王はんの女性不信の原因を聞いて、頭がぐるぐるしてる。王はんの心の傷を知った今、もっと深い話で彼の心に届かなあかん。ドゥンヤザードの操も守らなあかんし、21世紀の投稿サイトの締切よりキツい毎日やで!


 その夜、王はんが私の寝室にやってきた。豪華な絹の衣をまとって、腰に剣を下げた姿で、燭台の光が彼の顔に影を落としてる。私は薄絹の寝衣を纏って、胸元が大きく開いた姿でベッドに腰かけてた。燭台の光が私の肌を照らして、薄布越しに乳首の形が浮かんで見える。横にはドゥンヤザードが薄いドレスを着て座ってて、彼女の白い脚が少し震えてる。王はんの視線が私を舐めるように見て、それからドゥンヤザードに移って、ニヤリと笑った。


「なぁ、王はん。今夜は昨日の続きやで。聞きたいやろ?」私は柔らかく声をかけ、膝を少し開いて寝衣の裾を太ももまで滑らせた。白い肌が光に照らされて、王はんの目がそこに吸い寄せられる。


「ほぉ、シェヘラザード。昨日の魚の話はおもろかったで。今夜はどうや?つまらんかったら、どうなるか分かってるやろな?」王はんは剣の柄に手を置いて、私の胸元をじっと見つめながら隣にどっかり座った。そんで、ドゥンヤザードに目をやって、「お前さんの妹、ますますええ女になったな」と言いながら、彼女の肩に手を伸ばした。


 私は話を始める。「魚が海に潜った後、爺さんは恐ろしくなって町に戻ったんや。けど、海はまだ静まらへん。波がどんどん高くなって、港の船が軋んで壊れそうやった。町の人々はパニックになって、『誰かが海の神様を怒らせたんや!』って叫び始めた。爺さんは自分が釣った魚のことを思い出して、震えながら家に閉じこもった。そしたら、その夜、海から不思議な光が上がって、浜辺にその魚が現れたんや。けど、今度はただの魚やなくて、背中に貝殻の鎧を着て、頭に珊瑚の冠をかぶった、立派な海の精霊の姿やった」


 王はんは「ほう、精霊が本気になったか」と呟きながら、ドゥンヤザードの肩を撫で始めた。ごつい指が彼女の細い肩を這って、鎖骨のくぼみをゆっくりなぞる。ドゥンヤザードは小さく身をすくめて、「姉ちゃん…」と呟いたけど、王はんの指は止まらへん。彼女の胸元に下がって、薄い布越しに小さな膨らみをそっと押した。柔らかい乳房が掌に収まって、布越しにその形がくっきり浮かぶ。ドゥンヤザードの頬が赤くなって、「王はん…?」と戸惑った声を出した。


「その精霊は浜辺に立って、でっかい声で叫んだんや。『この町を治める王を出せ!わしは海の精霊や。王が海を汚した罪を償わせる!』ってな。町の人々は震え上がって、爺さんに『お前がこんな化け物を連れてきたんやろ!』って詰め寄った。爺さんは仕方なく、精霊を王の宮殿まで案内することにした。道すがら、精霊は海の水を操って、町の通りを洪水で洗い流して、『これが王のせいや!』って怒鳴ったんや」


 王はんは「なんやて?わしに文句言う気か?」と笑いながら、ドゥンヤザードの胸を強く揉んだ。指先で硬くなった先端を摘んで軽く引っ張ると、彼女は「んっ…」って声を漏らして、脚をもじもじさせた。王はんの目がギラついて、ドレスの裾をたくし上げて、白い太ももを露わにした。ごつい掌が内腿を執拗に撫で回して、ドゥンヤザードは「王はん…体が熱い…変や…」と困惑した声で呟いた。


「爺さんと精霊が宮殿に着いた時、王様は宴会を開いてたんや。豪華な絹の服を着て、酒を飲んで、踊り子に囲まれて笑ってた。そこに精霊がズカズカ入ってきて、宴会場の真ん中で叫んだ。『お前が王か!お前のせいで海が汚れて、わしらの住処が滅茶苦茶や!今すぐ償え!』って。王様は酒杯を手に持ったまま、『何やこいつ、魚が喋っとるぞ』って笑ったけど、精霊が手を振ると、海水が宮殿に流れ込んできて、床が水浸しになった。王様は慌てて立ち上がって、『何!?何やこれ!』って叫んだんや」


「そしたらな、宴会場はもう大混乱やった。踊り子たちは悲鳴を上げて絹のスカートを濡らしながら逃げ出し、家臣たちは酒杯を放り投げて出口に殺到した。ある太った貴族が水に足を取られて転んで、葡萄酒の壺に頭を突っ込んで『助けてくれぇ!』って叫んでた。別の若い侍女が、王様の足元にしがみついて『お救いください、王よ!』って泣き叫んだけど、王様は彼女を蹴り飛ばして、『黙れ!わしが何をしたっちゅうんや!』って怒鳴った。そん中、精霊は静かに立ってて、水が膝まで来ても動じへんかったんや」


 王はんは話に引き込まれて、「おもろいな、それでどうなるんや?」と聞きながら、ドゥンヤザードの手を自分の股間に導いた。ズボン越しに硬く膨らんだ熱い塊が彼女の掌に押し付けられて、指が震えながらそれを握る。王はんの股間はもっこり膨張して、ズボンが張り詰めて脈打ってる。ドゥンヤザードは「姉ちゃん…これ、熱い…硬い…」と呟いて、王はんは低くうめいて、腰を動かして彼女の手の中でさらに膨らませた。


「王様は剣を抜いて、『魚ごときがわしに逆らう気か!』って斬りかかったけど、精霊は笑って、海水を渦に変えて王様を押し返した。『お前にはわしの怒りが分からんのか!海を汚した罪を認めんかい!』って怒鳴った。王様はびしょ濡れになりながら、『何!?わしが何をしたっちゅうんや!』って叫んだ。そしたら、精霊が言うたんや。『お前が船でゴミを捨てて、油を流して、わしらの海を穢したんや。このままやと、海の怒りが町全部を飲み込むぞ』って」


 私はここで少し声を低くして、王はんの目をじっと見た。「けどな、王様はその言葉を聞いて、笑いものにしたんや。『海ごときがわしに逆らう気か?わしは王やぞ!』って。そしたら、精霊は静かに王様を見つめて、こう言うたんや。『お前は自分の罪を知らんのか?かつて、お前が愛した女に裏切られた時、心を閉ざして、女を憎むようになったやろ。せやけど、その憎しみが今、お前を盲目にしてる。海を穢したのは、お前の心の闇がさせたことや』って」


 王はんは急に動きを止めて、「なんやて…?」と呟いた。ドゥンヤザードの手を握ってた指がピタリと止まって、彼女が「王はん?」と小さく呼んでも反応せえへん。私はアミナはんの話を思い出しながら、続きを紡いだ。王はんの心の傷に触れる賭けやけど、ここで引いたら意味がない。


「精霊はさらに続けた。『お前が女を憎むようになったのは、裏切られたからや。せやけど、その裏切りを忘れられへんお前が、海を穢して、わしらに同じ苦しみを押し付けてるんや。王よ、自分の心を見い。憎しみだけで生きて、何が残る?』って。宴会場の水が静かに引いて、精霊は王様を見下ろした。王様は剣を握ったまま、初めて言葉を失って、立ち尽くしたんや」


 王はんは黙ったまま、私をじっと見つめた。ドゥンヤザードの手が解放されて、彼女は慌ててドレスを直した。王はんの目は揺れてて、いつものニヤけた笑顔が消えてた。私は内心ドキドキしながら、話を進めた。


「そしたら、精霊が最後に言うたんや。『お前が悔い改めへんかったら、海は町を飲み込む。せやけど、心を変えるなら、まだ間に合う。答えを出せ、王よ』って。精霊は光に包まれて消えて、王様は水浸しの宴会場で一人残された。踊り子も家臣も逃げ出して、静寂が宮殿を包んだんや」


「そしたらな、王様は水浸しの床に膝をついて、剣を握ったまま震えてた。宮殿の柱に映る自分の影が、水面に揺れてて、まるで昔の王妃の姿に見えたんや。王様は一瞬、彼女の笑顔を思い出して、『お前…わしを裏切ったあの日から、わしは…』って呟いた。けど、その声は水に呑まれて誰にも届かへんかった。遠くで海の唸りが聞こえてきて、王様は初めて、自分の憎しみが何を生んだかを感じ始めたんや」


「なぁ、王はん、すごいやろ?私も続きが気になるわぁ!」ドゥンヤザードが震える声で合いの手を入れて、王はんの腕から逃れようと身をよじった。王はんは彼女を膝に乗せたまま、太ももを撫でてた手が止まって、ぼんやり私の顔を見てる。


「そやなぁ、ここで終わりは勿体ないわ。続きが聞きたいやろけど、もう夜も遅いしな。ほな、王はん、続きはまた明日ってことでええか?」私は誘うような笑みを浮かべて、王はんの腕をドゥンヤザードから引き剥がした。ドゥンヤザードは慌ててドレスを直して、顔を隠すように下を向いた。


「むぅ…シェヘラザード、その精霊、わしに何を言いたいんや?」王はんは低く呟いて、膨らんだ股間を隠しながら立ち上がった。ズボンの前が不自然に盛り上がって、彼の欲求不満が隠しきれへん。けど、目はどこか遠くを見てて、いつもの威勢が消えてた。「明日、続きを聞く。ちゃんと用意しとけよ」と言い残して、部屋を出て行った。


 扉が閉まった瞬間、私とドゥンヤザードは顔を見合わせてホッと息をついた。ドゥンヤザードはまだ顔を赤らめて、「姉ちゃん…今夜、王はん変やったな。話に何か感じたみたいや…」と呟いた。彼女の手にはまだ王はんの熱が残ってるみたいで、指をぎこちなく動かしてる。


「そやなぁ、ドゥンヤザード。アミナはんの言うた通り、王はんの心にヒビが入ったかもしれん。明日も頑張らなな」私は妹を抱きしめて、額にキスをした。ドゥンヤザードの操はなんとか守れたけど、王はんの目が揺れてたのが気にかかる。あの傷だらけの心を溶かすには、まだまだ話が必要や。


「でも、姉ちゃん、明日どうするんや?精霊と王様の話、続き考えなあかんやろ?」ドゥンヤザードが心配そうに聞いてきた。


「そやなぁ…精霊が王様に試練を与える話にしたらええかな。海の怒りを鎮めるために、王様が何か犠牲を払う展開とか。王はんの心に響くように、もっと深い話にせなあかん。波止場の水夫にまた聞きに行こか」私は疲れた体を起こして、明日の取材計画を立て始めた。


 こうして、私と妹の命がけの物語作りは続く。首を跳ねられへんように、ドゥンヤザードを守りながら、王はんの心を変えるために、今日も頭をフル回転や。ウィキペディアも投稿サイトもないこの世界で、頑張るしかないわ!



【第二百三十五夜 壱、弐】の登場人物


◯シェヘラザード:

大臣の娘で、サーサーン朝ペルシャのシャフリヤール王のハーレムに暮らす宮女。物語の語り手であり、毎夜王に面白い話を聞かせて命をつなぐ。妹ドゥンヤザードと共にネタ集めに奔走する。


◯ドゥンヤザード:

シェヘラザードの妹。ハーレムで姉の話に付き合い、王の興味を引く役割も担う。可愛らしい外見と純粋さが強調され、姉と共に首ちょんぱの危機に直面する。


◯シャフリヤール王

サーサーン朝ペルシャの王。女性不信から毎夜処女と結婚し翌朝処刑する狂気の習慣を持つ。シェヘラザードの話に興味を示しつつ、ドゥンヤザードにも手を出す欲望を見せる。


【第二百三十六夜の早朝 壱、弐(そんな理由が!)】の登場人物


◯アミナ

ハーレムの最古参の女性。白髪でシワ深い老婆だが、かつては美人だった。王の過去を知る人物として、シェヘラザードに陰惨なエピソードを語る。


◯王妃(シャフリヤールの妻)

アミナの回想内の人物。絶世の美女で、王に愛されていたが、奴隷との不貞行為が発覚し、王に殺される。第一の裏切りを引き起こす。


◯黒檀の肌を持つ奴隷

アミナの回想内の人物。王妃の愛人。庭園で王妃と情事を楽しむが、王に首を斬られ死亡。


◯シャーザマーン王

シャフリヤールの弟で、別の王国の王。アミナの回想内で登場。妻の裏切りを経験し、兄と共に女性不信に陥る。


◯シャーザマーンの妻

アミナの回想内の人物。夫の留守中に十人の男と乱交にふけり、シャーザマーンに全員殺される。第二の裏切りを引き起こす。


◯十人の奴隷と下僕

アミナの回想内の人物。シャーザマーンの妻と乱交に参加し、シャーザマーンに斬殺される。


◯ジン(魔神)

アミナの回想内の人物。巨大で緑色の肌を持つ超自然的存在。美女を囚えているが、眠ると彼女に裏切られる。


◯ジンの女(美女)

アミナの回想内の人物。ジンに囚われた絶世の美女。ジンが眠る間に百人以上の男と関係を持ち、シャフリヤールとシャーザマーンを誘惑する。第三の裏切りを象徴。

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