出発

リンネル王国港。


朝日が水面を黄金色に染める中、精鋭隊の4人は最後の準備を進めていた。


隊長リオラ・アルベルトは双剣を肩にかけ、地図を前にして進路を確認している。


37歳の貫禄が、他の3人に自然と緊張感を与えていた。


「リオラ、俺のライフルは準備万端だ。弾も予備込みでフルだぜ」


副隊長のカイエ・ヴァルディアは、巨大ライフルを担ぎながらにこやかに言った。


普段は熱苦しい性格だがだが、戦場ではリオラの指示に素直に従う冷静な面もある。


彼の存在は、隊に安心感を与える戦闘の柱だ。


セリナ・エルヴァインは、肩に小型ライフルをかけ、背負った医療器具のケースを整えながらため息をつく。


「怖い……でも、私がしっかりしないとね」


よしっと気合いを入れ直す


彼女は森や未知の地でのサバイバルや、仲間の命を守る役割を担っていた。


「ねえリオラ、僕が先頭歩いていい?見たことない鉱石とかあるかもだし!」


ダリウス・モーントは、双眼鏡を肩から下げながらタメ口で訊いた。


23歳の若さが出る口調だが、観察力と分析力は群を抜く。


「ふふ、怖がりのくせに先頭いくの?全く好奇心は強いんだからね」


リオラは短く笑い、彼に簡単な指示を出す。


怖がりで臆病なダリウスも、リオラの前では遠慮なく


冗談を言える関係だ。


準備を終えた隊員たちは、甲板に出て海風に当たる。


カイエは巨大ライフルを構え、セリナは小型ライフルと医療器具を確認、ダリウスは双眼鏡で遠くの水平線を覗く。


そしてリオラは双剣を手に、隊全体を見渡す。


「すべての準備は整った。未知の大陸――我々が挑む地を、この目で確かめる。慎重に、だが迷うな」


その言葉に、隊員たちは小さく頷き、互いの顔を見て気合を入れる。


恐怖も不安もある。しかし、隊員たちは共に歩む戦友であり、それぞれの能力を信じていた。


船は帆を上げ、静かに港を離れた。


やがて視界に広がる水平線の向こうに、未知なる大陸が姿を現す――


そこには、人知を超えた何かが待っていることなど、まだ誰も知らない。

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