【第十ニ章: 新年の約束 — 2026年の初詣デート】

2025年のクリスマスからわずか1週間後、桜ヶ丘高校の生徒たちは冬休み真っ只中。佐藤健と鈴木あかりは、付き合ってから初めての年末年始を一緒に過ごすことになった。

大晦日の夜。二人はあかりの家で年越しそばを食べながら、紅白歌合戦を眺めていた。あかりの両親は優しく迎え入れてくれ、健は少し緊張しながらも、いつもの明るい笑顔で対応する。

「健くん、今年は本当にありがとう。来年も、ずっと一緒にいようね」

あかりがそっと手を握る。健は頷き、

「あたり前だよ。あかりと出会えて、俺の毎日が変わった。2026年は、もっとあかりを幸せにするよ」

年が明け、2026年1月1日。元旦の朝は、予報通り冬型の気圧配置で冷え込みが厳しかったが、関東地方は晴れ間が多く、初日の出が見られるチャンス。健とあかりは早朝に起きて、近所の丘の上へ初日の出を見に行くことにした。

防寒をしっかりして、手を繋いで歩く道中。街はまだ静かで、時折除夜の鐘の余韻が聞こえる。丘に着くと、他のカップルや家族連れもちらほら。東の空が少しずつ明るくなり、水平線からオレンジ色の光が差し始める。

「見て、健くん! 上がってきた!」

あかりが興奮して指差す。太陽がゆっくりと顔を出し、辺りを黄金色に染める。健はあかりの肩を抱き寄せ、

「きれいだな……新年の始まり、あかりと一緒でよかった」

二人は静かに初日の出を拝み、心の中で今年の願いを祈った。健は「もっと強くなって、あかりを守る」。あかりは「健くんの優しさを、ずっと支えたい」。

初日の出の後、二人は一度家に戻り、朝食におせち料理を食べる。あかりの家で手作りのおせちを囲み、黒豆や伊達巻、栗きんとんなどを味わう

「これ、母さんが作ったんだ。健くん、たくさん食べてね」

あかりが笑顔で取り分ける。健は目を輝かせて、

「うまい! おせちってこんなに豪華なんだな。来年は俺の家でも一緒に食べようぜ」

午後から、二人は初詣へ。選んだのは、地元で人気の神社。元旦は混雑が予想されたが、少し遅めの時間に行ったので、並びはそれほど長くなかった。寒い中、手を繋いで鳥居をくぐる。

神社境内は雪が少し積もり、参拝者たちが白い息を吐きながらお参りしている。二人も賽銭を入れ、二礼二拍手一礼。

健が真剣に願い事をする横顔を見て、あかりは胸が温かくなる。

「健くん、何をお願いしたの?」

お参りが終わって境内を歩きながら、あかりが尋ねる。健は照れくさそうに、

「内緒。でも、あかりのことだよ」

あかりも微笑んで、

「私も、健くんのこと」

おみくじを引くと、健は「中吉」、あかりは「大吉」。健のおみくじには「縁は深まる」と書いてあり、二人は顔を見合わせて笑う。お守りを買って、縁結びのお守りをペアで選んだ。

その後、神社近くの甘味処で温かいぜんざいを食べる。雪がちらつく窓辺で、二人だけの穏やかな時間。

もし特別にしたいなら、二人は着物で初詣に行くのもいいかもと想像しながら(今回は私服だったけど)、来年は着物をレンタルしてデートしようと約束した。

夕方、家に戻る道中。健があかりの手を強く握って、

「2026年も、毎日あかりと一緒にいたい。どんな年になるか、楽しみだな」

あかりが頷き、

「うん。私も。健くんと一緒なら、どんなことも幸せだよ」

新年の始まりは、穏やかで温かく、二人の絆をさらに強くした。

桜ヶ丘高校の恋物語は、2026年も甘く続きていく。

新しい年が、二人の未来を優しく照らしますように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『目つき悪いけど、好きだよ』 本城 翼 @zeitaku_miruku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ