【第二章: 気になり始める心】
翌日の学校。あかりはテニス部の朝練を終え、教室で山田花子と高橋美咲に昨日の出来事を話した。
「ええっ、そんな怖い目に遭ったの? あかり、大丈夫だった?」
花子が目を丸くして心配する。美咲も頷きながら、
「警察呼ぼうか? でも、助けてくれた人いたんでしょ?」
あかりは頷き、健のことを思い浮かべる。
「うん、男の子が来てくれて。お巡りさんが通りかかったから助かったんだけど……その人、うちの学校の制服だった気がする。目つきがちょっと怖くて、名前も知らないけど」
花子が首を傾げる。
「目つき怖い? もしかして、2-Aの佐藤健? 遅刻常習犯で、街で喧嘩してるって噂の人じゃない?」
あかりはハッとする。確かに、学校でそんな噂を聞いたことがある。美咲が怯えた声で言う。
「私、見たことあるよ。睨まれると怖いよね。あかり、近づかない方がいいかも」
だが、あかりの心は逆だった。あの瞬間、健は怖い目つきで男たちを威嚇したが、自分には優しい声をかけた。気になって仕方がない。昼休み、あかりは2-Aの教室を覗いてみた。だが、健の姿はない。田中裕太が席にいて、気づいた。
「あかりさん? どうしたの?」
裕太はサッカー部の知り合いだ。あかりは少し照れながら尋ねる。
「えっと、佐藤健くん、いるかな?」
裕太が肩をすくめる。
「健? あいつ、昼休みすぐ帰っちゃうよ。部活もないし、何してるんだか」
あかりはがっかりする。教室が違うせいで、会う機会が少ない。それから数日、あかりは健を探すが、いつも空振り。健は学校が終わるとすぐ帰宅し、街で誰かを助けているのだ。あかりの心に、好奇心が芽生え始める。なぜあんなに怖い目つきなのに、助けてくれたのだろう? 友達になれたら、もっと知りたい。
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