第4話「また集まるものたち」
岩村はあの日の夜を回想する。何を話したかは思い出せない。しかし、確かに在る充実感がもたげていた。友情でもなく、腐れ縁でもなく、ちょっと質の違う有機的な何か。
うーん、と岩村は再び寝返りを打つ。
山田は何事もなかったように日々働いている。熱心ではないが、継続性はある。ぼーっとしているのに営業成績が良く、妬まれることもない。無意識なのが良いのだろう。ただ少し、あの日の出来事を思い出す。
「岩村って、羽交締めしてくるほど仲が良かったかな。不思議だな」
と、これまた「うん、うん」と一人頷く。
漠は少し後悔していた。登山に山田を誘おうと思っていたのに、岩村のペースにはまってしまって。漠の後悔をよそに、彼の思考は鋭敏な方へ動いていた。どうでも良い話をした。笑ったりもした。複雑に絡み合った思考が、いったんどこかに消えていった。結果的に、研究にプラスに動いた。漠は鏡を見て、ほくそ笑みを浮かべた。
彼らはきっと、また話すだろう。
そして、おぼろげな日常は断続的に続いていくが、暗闇も同時に歩み寄ってきていた。
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