救済
「美澄先輩。今日のお弁当も美味しいです。特にこのササミにかかってるタレが美味しくて〜」
まるでグルメ番組のリポーターくらいに感想を言ってくれる。
「ふふっ。相変わらずありがとう。本当に嬉しい」
「いえ、こんな美味しいお弁当を作って貰ったんだから、感謝して食べるのは当たり前ですよ!!」
あれから、爽香ちゃんと付き合う事になったけど、結構距離感はいつも通り、だ。
お昼食べるのも、遊びに行くのも、お家デートするのは緊張したけれども、どれも全部あんまり変わってない。
でも、爽香ちゃんに出会って変わったのは、もう大地くんが好きだと言ったおさげの髪型は辞めた。
コンタクトは……その、まだ慣れなかったので、やはり眼鏡が私の相棒だ。
まぁ、爽香ちゃんは眼鏡掛けてても可愛いと褒めてくれるから、良いけど。
「ねぇ、美澄先輩」
「ん? 何、爽香ちゃ……」
ちゅっと唇に柔らかい感触。
「え、」
「美澄先輩。そろそろキスしたいからしました」
小悪魔的な顔で笑う爽香ちゃん。うん。すっごくドキッと来た。
それに全然嫌じゃなかった。それはきっと、相手が爽香ちゃんだからだろう。
「ですから、その……私、これから美澄先輩に手を出していきますね」
あの日と同じ。木漏れ日に照らされて、笑う彼女は、あの日と同じだけど今は違う。私を失恋の傷みから救ってくれた女神様だった。
負けヒロインに救済を。 村雨 @kagtra423
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます