ココロの煮込み方

(下ごしらえ)

まずは 大きな鍋を用意しましょう

サイズは あなたの「器」と同じ

そこに たっぷりの「後悔」を注いで

一晩おいて アクを抜くのです

  Point: 苦い思い出ほど、丁寧に洗えばいい出汁(だし)が出る


( 火加減)

強火で一気に 情熱を燃やして

吹きこぼれたら 少し休めばいい

焦らなくていい 弱火の時間こそが

味を芯まで 染み込ませる魔法


(具材の投入)

「孤独」は ざっくり乱切りにして

「優しさ」は すりおろして隠し味

「あいつの言葉」という 硬いカボチャも

煮込めばいつか 甘いホクホクに変わる

 Point: 嫌な出来事も、時間をかければ栄養に変わる


( 味付け)

最後に ほんのひとさじの「涙」

塩辛いくらいが 甘さを引き立てる

完成間近に 気づくでしょう

レシピ通りにいかないのが 最高のスパイス


(仕上げ)

ぐつぐつ 鳴り響く命の音

蓋を開ければ 湯気の向こうに明日(あす)

冷めるのを待つのも ひとつの勇気

味は「静寂」の中で 決まるもの


(召し上がれ)

さあ 温かいうちに 自分に振る舞おう

「よく頑張ったね」という 彩りを添えて

お粗末さまでした。

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2分間の物語 Algo Lighter アルゴライター @Algo_Lighter

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