【あとがき】

この物語は、

「失ったものを取り戻す話」ではありません。


失われたものは、

失われたまま、そこにあります。


それでも人は、

生きていかなければならない。


『さよならより先に、約束を』

そして

『さよならのあとで、約束を思い出す』は、


喪失を抱えたまま、

それでも誰かと未来を選ぶことができるのか

という問いから生まれました。


朝比奈は強くありません。

結城は万能ではありません。

紗良も、すべてを悟った聖人ではありません。


それでも三人は、

それぞれの立場で、

自分の感情から逃げない選択をしました。


澪は、物語の途中で姿を消します。

けれど、

彼女の存在は決して「過去」になりません。


人を深く愛した記憶は、

消すものでも、乗り越えるものでもなく、

共に生きていくものなのだと、

この物語は信じています。


もしこの本を読み終えたあと、

あなたの胸にも

思い出した約束がひとつでもあれば。


それはきっと、

まだ続いている人生の一部です。


最後まで読んでくださり、

ありがとうございました。

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『さよならのあとで、約束を思い出す』― 涙よりも遅く、君は胸に帰ってきた ― 本城 翼 @zeitaku_miruku

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