第6話 ドアの向こうは、だいたい地獄
おにぎりマンの――
『ニギリ』『2』
その圧に、
パイラントの空間装甲が軋んだ。
「……こいつ……圧が……おかしい……!」
蒸気に包まれたおにぎりマンは、
視界から消える。
次の瞬間。
「JETおにぎりパンチ!!」
――ドゴン!!
「JETガトリングパンチ!!」
――ドドドドド!!
高速移動と連打。
理屈も説明も追いつかない。
パイラントは完全に押されていた。
「チッ……!」
パイラントは咄嗟に、
空間そのものにドアを作り出す。
「ここまでだ、またな、主人公――」
逃走。
……する、
はずだった。
「――てんさーーーん!!」
叫び声と同時に、おにぎりマンがドアに張り付いた。
「なっ……!?」
次の瞬間。
――自爆。
蒸気、衝撃、意味不明なエネルギー。
ドアの空間が、ぐにゃりと歪む。
そして――
バシャァン。
水音。
静寂。
そこは、
都市型都市・ネリマーランドの
ごく普通の個人宅の浴室だった。
湯気。
タイル。
シャンプーの香り。
「……」
「……」
そこにいたのは、
いずこちゃん(成人・一人暮らし)。
ただ普通に、
風呂に入っていただけの一般人だ。
三者の視線が、
ゆっくりと交差する。
「……」
「……」
数秒の沈黙。
そして。
「ギャァァァ!!
の〇たさんのえっちぃ!!!」
※完全にパニックによる誤解である。
※誰も悪くない。
※一番悪いのはドア。
おにぎりマンとパイラントは、
呆然と立ち尽くした。
二人とも、
下腹部が完全に“の〇たさん的シルエット”になっていた。
「……」
「……」
状況を理解する前に、
いずこは反射的に――
洗面器を投げた。
――ゴン!!
二人同時にヒット。
「「ぐはっ」」
そのまま、
再び空間が歪み始める。
「ち、違う!!これは事故だ!!」
「事故にしては最悪すぎるだろ!!」
次の瞬間、
二人は再びドアの向こうへ
弾き飛ばされた。
浴室には、
何事もなかったかのように
湯気だけが残った。
いずこは、
深く息を吸い――
「……今日はもう、
シャワーでいい……」
そう呟いた。
別次元。
地面に転がる
おにぎりマンとパイラント。
「……」
「……」
パイラントが、
静かに言った。
「……主人公やめろ、とは言ったが……」
おにぎりマンは、
米粒をポロポロ落としながら答える。
「……ここまでやるとは思ってなかっただろ……」
二人の間に、
妙な連帯感が生まれ始めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます