UFOと流れ星
UFOを見たことがあります。
もちろん宇宙人を見たわけではないので、いわゆるエイリアンクラフトではなく、
未確認飛行物体のほうです。
アンノウン・フライイング・オブジェクト、でしたっけ。
十代の頃の、夏のことでした。
大阪は南の方。
りんくうパパラという遊園地で行われた花火大会のあと、
僕は数人の友人たちと、そのまま関西空港の対岸あたりにある
ぴちぴちビーチという浜へ繰り出しました。
終電もなくなっていた僕たちは、夜明かしをするつもりで浜に降り、
コンビニで買った缶チューハイを飲んだり、砂遊びをしたり、
ただだべったりしていたと思います。
砂遊びにも飽きた頃、
友人の一人が「流れ星を探そう」と言い出しました。
今にして思えば、何かの流星群に当たっていたのでしょうか。
けっこう、ちょこちょこと見つかるのです。
とはいえ、流れ星というのはほんの一瞬。
見つけるたびに、皆で夜空を見上げ、口ぐちに願い事を三回唱えます。
女子は
「オス、オス、オス」
男子は
「メス、メス、メス」
そして最後は、
皆そろって
「カネ、カネ、カネ」
そんなことをしているうちに、
誰かがふと、声を上げました。
「あれ、UFOかなあ?」
ふらふら、ぐにゃぐにゃと飛ぶ、
一等星よりは少し大きい程度の白い丸。
星や人工衛星ほど明るくは光っていません。
「間違いなくUFOやで、あれ」
しばらく見ていましたが、その飛び方は、
飛行機やヘリコプターでは真似できないもので、
まるでト音記号を描くような軌跡でした。
僕たちは、何が起きるのかと、
ただじっと、そのUFOを見守っていました。
ですが――
何も起きません。
たぶん、十分か十五分くらいは見ていたと思います。
そして、とうとう友人の一人が、
皆の気持ちを代弁するように、ぽつりと言いました。
「UFO、飽きたな~」
結局、その言葉に皆が同意し、
再び流れ星を探したり、
一人を砂の中に埋めたりしているうちに、
気がつけば、UFOは消えていました。
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