第1話【剣の話】

《薄暗い空間。目の前には冷たく無機質な白い机》


《拒否権は無いと言われてからしばらくした後。前にある扉の枠にの中に変化が訪れる》


《扉が現れた。空色の剣が描かれた扉だ》


《ガチャリ、と音をたて扉が開く》


《中からは1m程の剣を抱えた、オレンジ髪の青年が現れる》


??「ここで合ってる?,,,.....案内人さん」


《貴方の方へ話しかける。おそらく貴方の後ろに案内人がいるのだろう》


案内人「うん。合ってるよ〜それじゃぁトレ。君の物語を聞かせてよ」


《トレと呼ばれた青年は、貴方に向き合うように座る。そしてゆっくりと話し始めた》


────────《剣の話》────────



まぁまぁ前の話だ。僕が山奥の自分の鍛冶場にいた時。あ、僕は鍛冶師なんだけどね。


あ〜色々説明しなきゃだよねぇ.....めんどくさがって説明しない奴がいそうだなぁ.....案内人さ〜ん次からはちゃんと必要な情報は説明してあげてよ〜?


・・・話を戻して、僕はいつも通り剣を作ってたんだ。

すると、だ。珍しく客人が来たんだよ。さっきも言ったみたいに僕の鍛冶場は山奥にあるからね、人はほとんど来ないんだ。

その客人は深くフードを被った男性だった。ちょっと体が細かったけど。

不気味な事に生気は感じられなくて、ちょっと血の匂いがする人だ。

警戒はしたよ?もしかしたらどこかの王国から脱走した罪人かもしれないからね。

でもそれ以上に変な事を言い始めたんだ。

確か・・・『世界はもう滅びた』だっけ?

僕はハァ?って言ったよ。突然そんなに事言われたんだからそんな反応になるのは当たり前だよね。

そしてその後、『知りたかったら着いてこい』って言ったんだ。


「「いや、ついて行くわけけないじゃん!!怪しさ満点だよ!!」」


思わずツッコミ入れちゃったよ。

そしたらその人ため息ついて


『じゃあ連れてくまでだ』


って言って僕の腕掴んでね。抵抗したんだけどビックリするぐらい力強くてそのまま引きずられたんだ。

結局ついて行くことになったんだよ。押しが強くてね。折れるしか無かったんだけど。一応準備してからその人について行った。


山奥って言っても大体10分ぐらいで山の麓の村に着くんだけど、その道がだいぶ荒れていたんだ。まぁ僕はたまにしか村に行かないし、その道は僕しか基本通らないから動物が荒らして行ったんだろうなって思ってたんだけど・・・


でも麓に降りた時、男の言葉が本当であることを理解してしまったんだ。


そこには"何も無かった"

崖になってたんだよ。下を覗いて見たけど底が見えなかった。

一体いつこんな事になった?

頭の中に疑問がいっぱい湧き始めた。

思い出して見る。変な事があった日はなかったか?寝てる間に起こったのか?

でも気づいた事があったんだ。いや、もしかしたら気づいてはいけなかったのかも。


昨日の記憶が無いんだ。

いや昨日どころじゃない。"今までの記憶"が無いんだよ。自分の名前も思い出せない。そして何よりも記憶が無いのに何故か僕は鍛冶師であると何故か、やる事だけは知っていたんだ。

狂いそうだった。ふと、何かが視界に入る。

地面に何かが落ちている。


それは、剣だった。

僕はその剣を知っている。

なぜなら今、その剣を持っているからだ。護身用にと持ってきた剣。

その他にも地面には沢山の剣が転がっていた。ほとんどが同じ剣だったが中には別の物もあった。

男は取り乱している僕に向かって冷酷にこの状況を説明し始めた。

『お前は山から降りた時にここで毎回狂って剣で首切って死んでんだよ。お前は人間じゃない。火の精霊だ。あの古びた鍛冶場があんたの生まれた場所。死ぬ度に記憶を失ってるんだ。俺がお前を連れていかなかったら剣を売りに行くために降りてこの剣がまた増えてしまう。俺はそれを止めに来たんだ』


つらつらと説明される。どうにかなりそうだった。男は急に近ずいて来る。


『一旦、連れ帰らせて貰うぞ』


肩に手を置かれる。全身の力が抜けていく。僕は意識を手放した。


─────────────────────


トレ「そういう訳で僕はここに来た。今でも自分の名前が分からないんだ。今は名前を付けてもらってね、トレかニル・クルスって名乗らせて貰ってるよ」


《何故名前が二つあるのだろう》


トレ「まぁ大体僕がここに来るまでの経緯はこんなものかな。そんなインパクトが強いものではないけどね」


《青年は話終わると、立ち上がり扉に向かう》


トレ「じゃあね〜」


《そう言って出ていってしまった。青年が出ていった瞬間扉が消え、また枠だけになった》


案内人「彼は今でも剣を作ってるんだ。私も触れた事があるけど、素人から見ても素晴らしい物だったね」


《案内人は何者だ?今更そんな事が頭に浮かぶ》


案内人「さぁ。物語は始まったばかりだ。次の人に語ってもらおうか」


《気が付くと扉がまた現れていた。今度は蝶が書かれた緑色の扉。》


《ゆっくりと扉が開く》

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このクソみたいな物語 カヒナ @Kahina001

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