第8話 陰キャ太陽神VS陽キャ太陽神
身体中の筋肉を眩しく輝かせるインティから時折目を逸らしながら、私はこれまでの経緯を彼に説明した。
「ハハハハハ!なるほど!ヘリオス君に太陽神としての自覚を取り戻させたいのだな!よーし!ヘリオス君、我とともに身体を鍛えよう!健全な肉体に健全な精神は宿る!」
喋りながら、インティはこれでもかと言わんばかりにダブルバイセップスのポーズを満面の笑顔で決めてくる。
神々しいを通り越して暑苦しい。マジでなんとかして。
「……僕は身体には、自信が無い。お断りする」
インティの圧に押されながら、しどろもどろで答えたヘリオスだったが、インティは意に介することなくスマイルしながらモストマスキュラーのポーズを決める。
「ハハハハハ!よーしわかった!運動が苦手ならトークはどうだい?アルパカの可愛さについて、我と夜通し語りつくそうじゃないか!」
「アルパカが……何なのか知らないし、僕はおしゃべりする気分でもない。……インティ、君が輝かしい太陽神であることはわかった。でも、僕のことは放っておいてほしい。君は、あまりに眩しすぎる」
眩しすぎることに異論は無いが、このままでは異変を解決することができない。私は内心焦り始めたが、インティは気にすることなく清々しい笑顔でアブドミナルアンドサイのポージングを決めた。
「ハハハハハ!残念だが我は困っている者を見過ごせないのだ!それに!ヘリオス君!君は太陽神として、否、神として大事なものを忘れているよ!」
ギラギラと輝くインティに目をしばたかせながら、ヘリオスがインティの顔を仰ぎ見た。
「ハハハハハ!笑顔だよ、ヘリオス君!笑顔は全てを解決してくれる!笑顔があれば、何でもできる!さあ、我と一緒に笑おう!ハハハハハ!」
初日の出の朝日のように、インティの笑顔が輝く。
倍増した眩しさと圧の強さに、私は思わず右手をかざして両目を覆った。
もう、いい。
インティの神々しさに押されまくりな私の隣で、ヘリオスが暗い呟きを漏らした。
「僕にかまわないでくれ。僕はダメな太陽神だ。運動もできないし、会話もできない。笑うこともできない!……ああ、そうだ。思い出してきたぞ。僕は彼女に酷いことをしたんだ!そんな僕が、明るく笑えるなんて!」
できっこない!!!
部屋が震えるほどの雄叫びを上げたヘリオスの周囲から、どす黒い煙が渦を巻いて立ち昇って来る。
まずい。
転換が、始まった。
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