第7話 港区の陽キャ太陽神
東京都港区青山。
東京どころか日本屈指のオシャレスポットのとある一角のビルに、彼は安らぐ、つまり、生活している。
思いつく限りの太陽神の中で、最も陽キャな太陽神であり、陰キャなヘリオスに会わせるには最も適任かと思ったのだが、正直、顔を合わせるには気が引ける。
あのカシマさんですら嫌な顔をしているのが、何よりの証だ。
「ねー、かのちゃん。本当に行くの何故いくのやっぱり行くの?あたし、あのキャラ苦手苦瓜チャンプルーなんだけど」
「あなただって似たようなもんじゃない、カシマ。暑苦しいことを除けば」
「心外で論外で番外アバシリ!あんなのと一緒にしないでよー!」
行き交う人々の熱視線と好奇の眼差しを一身に浴びながら、私は同行のヘリオスのように黙々と現地へと向かう。
私たちが着いたのは、五階建のとあるビルだった。
人目にはわからないが、まるで灯台のように最上階の一室から燦々と光が発せられている。
念のため、ビルに要石を取り付けて結界化させた。どのような原理か理解できないが、要石を付けた場所に神々の力を限定させ、周囲に被害を及ばせないようにできる。
時間は午後十時。ファミレスで散々時間をつぶしていたのはビルで仕事をしている人たちの帰宅を待ってのことだ。その間に、ビルのマスターキーも神祇部を通して取り寄せた。
既に明かりも消え、無人となったビルの最上階に進み、私はとある部屋の扉をノックした。
「失礼いたします。文化庁神祇課の思井かのです。差し支えなければ、是非、お会いしたく参上いたしました」
「……思井、かの?……オオウ!君か!?どうぞ!入りたまえ!」
「失礼し……あぶふぅ」
マジで大変失礼な息が口から漏れ出てしまったが、仕方がない。
ドアを開けるや否や、金色の眩しい光が質量を伴っているかのような大波で襲ってきたからだ。
部屋の中心でサイドチェストで立ち尽くす、この光の主こそ、誰あろう。
インカ神話の太陽神、インティである。
その姿は髪と髭が放射状に細く長く伸びており、まるでお日様を擬人化させたデザインそのものだ。鋼のように引き締まった身体を見せつけるかのように、身に着けているのは金色のボクサーパンツのみ。ボディビルダーのような姿の全身から眩しいまでの陽のオーラを
「ハハハハハ!ようこそ、かの君!久しぶりだね!そちらのお嬢さんがたも久方ぶりだ!再び君たちとすてきな時間を過ごせることを心待ちにしていたよ!ハハハハハ!」
「おっちゃん、おひさー」
「お久しぶり。すてきかどうかはわからないけど、少し時間を頂きたく思う」
白い歯を見せながら笑うマッチョダンディに、カシマさんもカトリさんも塩対応で応えた。
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