第2話 曇天と五月病について
この日本で働く勤勉なるサラリーマン及び労働者諸君には、世界的に類を見ない、ある職業病がある。
五月病だ。
実を言うと、今まで私はこの五月病なるものにはかかったことが無い。
生まれてこの方、夏バテと五月病にかかったことが無いことが、私のささやかな自慢のひとつだ。
だが、しかし。
私は今、無縁だった五月病の足音を背後から感じている。
理由は、この天候だ。
ゴールデンウィーク終了から二週間、私が居住し勤務している関東一帯の天気予報は雲のマーク一色だった。
日が照ることもなく、雨も降らず、分厚い雲に覆われた陰鬱な日が十四日も続いている。
本日月曜日の午後三時のニュース流れてきた週間天気予報でも、来週日曜日まで雲の絵がずらりと並んでいた。
一日中、朝か夕方かわからないような日が続けば、流石の私も気が滅入る。
いよいよ、私も五月病に追い付かれたか。
そう思いたくもなった暗澹たる私の気持ちへトドメをさすかのように、先ほど、霞が関の神祇部からメールが届いた。
どうやら、
しかも、今回は大神クラスだとか。
最近、どうも相手をする神々のスケールが大きすぎる気がする。
それでいて、彼らの対処にあたるメンバーは私を含め三人しかいない。
否。
一人と二柱、か。
すっかり冷たくなったコーヒーを口に含みながら、私がパソコンの画面に映し出された神祇部からのデータを渋い顔で眺めていた時だった。
どっかん、ずがんと物凄い足音を響かせながら、何者かが雷鳴のように盛大な音を立ててオフィスの扉を開いて入ってきた。
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