第2話 Y少年
燃えるゴミの日に立ち会わなかったのは次に役目を引き受ける家の長女だった。
僕にとっては近所の少し気になるおねえさん。その家の前を通ったとき、母親も弟も彼女の名前を呼び、どうしても来られないのか何度も確認していたのが漏れ聞こえていた。
何か重いものを好き放題投げつけて、激しい拒絶の言葉を吐き、そして泣き叫んでいる。
そうだろうな。村の決定から今に至るまでの道筋で十分に予測できたことだ。 子供の頃から、出産してもまともな子供は産めないかもしれないと女の子は言い聞かされる。 男も、外の女を家にいれるのは禁忌だった。
泣き叫ぶ声はずっと僕の耳、頭の中に残る。背中に追いすがる。足首をつかむ。 壊さないでください。私の半生の覚悟をみんなの合理的判断で簡単に壊さないでください。あっけなく終わらせないでください。
あの箱を必要だと思い込み、人生の選択を極限に狭められてきた人は、叫びでしか今日という日を乗り切れない。
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