活きている設定

早速田中ママに連絡を取ろうとした時でした。


ピンポーン!!


と言うインターホンが鳴るのが聞こえました。


この時、僕はいつもの光景過ぎて異世界にいるという意識が飛んでしまい、室内のインターホンを起動してしまったのです。


「はーい」


モニターを立ち上げながら声をかけた時に、やっと自分が置かれている状況を思い出しました。


何故ならば、モニターの向こうには外で見たような金髪美人なエルフの少女が立っていたからです。


「あら、珍しく直ぐに出たわね。

早く開けて中に入れてちょうだい」


「え、あ、うん」


そう答えながらもどうしたら良いのかと配信のコメント画面を見ると、エルフきたー!!とか、早く中に入れるべし!とか、氷精の皆んなが欲望に忠実なコメントを入れていました。


ま、まぁ、この状況で怪しまれるのも困るから入れるけど。


「ごめん、お待たせ」


「いつもよりも全然早いから構わないな。

全く、いつ来ても変わった部屋よね」


そう言いながら、少女は慣れたように部屋のソファーに腰掛けた。


この子、どこかで見た記憶が……あっ!


「エミリア?」


「何で疑問系なのよ。

リリィ、あんた寝ぼけてるんじゃないでしょうね」


「あ、はは、実はちょっと寝落ちしてて……」


などと誤魔化しながらも、内心は驚きでいっぱいでした。


エミリアとは、田中ママが僕の妹分として描いていたキャラクターです。


中に入る子はまだ決まっていなかったのですが、同じ森に住むエルフなど、コラボしやすいように考えて作られていたのです。


そんな彼女がここにいると言う事は、本格的に田中ママが作った世界の中にいる説が濃厚になってきましたね。


「何をボーッとしてるの。

ほら、これで目を覚ましなさい」


僕が物思いに耽っていると、エミリアがスッとコーヒーを前に出してきました。


「あ、ありがとう」


「どういたしまして。

リリィの魔道具が便利だから大した手間ではないわ」


そう言って、いつの間にか使用していたらしい電気ケトルからお湯を注いで、自分の分まで注いでいます。


その後、慣れた様子で砂糖やミルクを取り出すエミリア。


確か田中ママから見せてもらった設定資料に、リリィとエミリアは幼馴染と書いてあった事が活きているということなのでしょうか。


そして、エミリアの中では私の現代社会な部屋も当たり前のこととして受け入れられており、度々遊びに来ているので使い方も熟知しているということなのでしょうね。

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