第14話 死ぬまで女ですもの


なんとか朝食の席に着くと、向かいには「永遠の乙女(95歳)」が、鏡を見ながら熱心に口紅を塗っていた。……はみ出しまくって、まるでジョーカーみたいになっているが。

「ねえ、そこのあなた。今日の私の装い、どうかしら?」

「え、あ、はい。……血色がいい……ですね?」

「あら、嬉しい。今日はね、事務員の眼鏡さんに告白しようと思っているの」

「眼鏡神に!? 彼は神様だよ? しかも見た目20代だし!」

「恋に年齢も種族も関係ないわ。私は死ぬまで女ですもの」

乙女さんはそう言うと、通りかかった冷徹の眼鏡(事務員)に向かって、猛烈なウインクを飛ばした。

眼鏡神は一瞬ピクリと眉を動かしたが、事務的にこう答えた。

「乙女さん。ウインクのしすぎで眼瞼下垂が進んでいます。目薬を差しておきましょう」

「きゃっ! 彼ったら照れちゃって!」

ポジティブすぎる。このメンタル、28歳の私にも分けてほしい。

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