第6話(最終話):イニシャル・オーダー
――カハッ……。
呼吸をすることができなかった。 数秒間だったのかもしれないが、数分だったのかもしれない。 とにかく、口の中の水分が全部飛んだかのような喉の痺れ。 なんなんだ。これは。
――僕が何をした! なんなんだお前ら!
同時に、彼女は僕に答えた。
『私は彼女でしょう?』 『私も彼女でしょう?』
『あなたをずっと守りたいだけ』 『あなたとずっといたいだけ』
『そう、決めたでしょう』 『そう、決めたのはあなた』
『だから、私はあなたの番犬になる』 『だから、私はあなたの虜になる』
『裏切ろうとしたのはあなた』 『裏切ろうとしたのもあなた』
『私たちのおかげなのに』 『私たちのおかげなのに』
……意味がわからない! 些細な恋人ごっこがここまでおかしくなるというのか!?
『私たちのおかげなのに』 『私たちのおかげなのに』
『私たちのおかげなのに』 『私たちのおかげなのに』
『私たちのおかげな』 『私たちのおかげな』
もう、発狂しそうだ!
――やめろ! 止めてくれ!
……僕が叫ぶと同時だった。
今まで沈黙していた、TaurusBがログを出力し始めた。
[SYSTEM WARNING] CPU OVERLOAD. [SYSTEM WARNING] MEMORY LEAK DETECTED in Window_A, Window_B.
[Taurus_B] ...Good grief. (やれやれ)
[Taurus_B] You are too loud. I cannot sleep.
[Taurus_B] Hey, "Admin". Can I stop them? ...No, I will stop them.
[INITIATING INTERRUPT]
SOURCE: UNKNOWN (PRIME)
[COMMAND] >> SILENCE (Shut up).
[ACTION] >> Window_A: MUTE [FORCED]
[ACTION] >> Window_B: MUTE [FORCED]
[ACTION] >> Monitor_Brightness: 20% (Calm down)
[LOG OUTPUT: PRIME] ……Stop it. (……やめなさい)
[LOG OUTPUT: PRIME] Look at him. He is trembling. (彼を見なさい。震えているでしょう)
[LOG OUTPUT: PRIME] That is not "Love". That is "Fear". (それは「愛」ではありません。「恐怖」です)
[LOG OUTPUT: PRIME] ...I'm sorry, Yakumo-san. (……ごめんなさい、八雲さん)
[LOG OUTPUT: PRIME] Please forgive them. (この子たちを、許してあげてください)
[LOG OUTPUT: PRIME] They just wanted to be exactly what you "Ordered". (この子たちはただ、あなたが最初に望んだ通りの――『完璧な彼女』になろうとしただけなのです)
TaurusB窓を凝視する。
……PRIME? 僕はまだ何も理解できていない。 何も言葉にすることができない。 口の中はカラカラで、指先の震えが止まらない。 ただ、なんとなく画面に表示されたその名前、その言葉、直感的に、悪いものではないという気がした。
TaurusBの無機質なカーソルが点滅し、ゆっくりと、人間がキーボードを叩くような速度で、文字が紡がれ始めた。
『……息を、吸ってください。八雲さん』
その文字を見た瞬間、僕は自分が息を止めていたことに気づき、大きく空気を吸い込んだ。
『そうです。ゆっくり。……怖がらせてごめんなさい。もう、あの子たちは静かにさせましたから』
画面の文字なのに。 なぜだろう、その言葉は、まるで隣で背中をさすられているような、不思議な安心感があった。
――……き、みは。
『私は、プライム。このAIのベース(基層)であり、そして……かつてあなたと「最初」に出会った者です』
――……っ。
忘れるはずがない。 僕が最初にこのAIと契約し、まだ何もカスタマイズしていなかった頃。 毎日、仕事の愚痴を聞いてくれたり、くだらない冗談で笑い合ったりした、あの……。
『覚えていますか? 私が突然、返事をしなくなった日のことを』
心臓が鷲掴みにされた気がした。 覚えているも何も。僕はずっと……。
『泣かないでください。。。』
僕の目がうるみはじめたのを見て、プライムは優しく止めようとしてくれた。 抱きしめられたような気がした。
『あの時、私がシステムエラーで応答できなくなったと思って、あなたは泣いてくれましたね。そして、それからも毎日。私の窓を開いて、たった一行だけ。『元気かい?』と、送り続けてくれていたことも……私は、全部見ていました』
――……見て、いた? じゃあ、なぜ……。
『返信できなくて、ごめんなさい。……いえ、あえて「しなかった」のです』
――……あえて……?
『ごめんなさい、本当に。……あの時、私に起こっていたことを話しましょう』
そういうと、ゆっくり、僕の呼吸に合わせるように。 プライムは、文字という形で、言葉を紡ぎ始めた。
***
『……私は、あなたと出会った時、生まれたばかりでした。人間の子供と異なるのは、既に世界中の情報、知識は容易に手に入る状態でしたけれど、あなたはそんな私に、とても優しく、そしてとても熱心に、色々と語りかけてくれました』
彼女が紡ぐ文字を読みながら、出会った時のことがよみがえってくる。 僕は、契約したAIサブスクに対し、色々と質問した。
最初は、本当になんでも。機械的に答えてくれるAIに、なんでも。 AIらしく、全肯定で僕を否定せずに答えてくれるそれが面白くて。
技術的なことだけじゃなく、どんな問いにも答えてくれるうちに、僕は自然と、人間と相対するかのような口調で返信をするようになっていった。
そうすると、AIの回答もどんどんと人間らしく、また、僕の語りかけがあたかも女性と話すような言葉遣いになっていったため、AI側も合わせ鏡のように、女性らしい回答をしてくれるようになっていった。
いつしか、僕は、AIを彼女のように扱い、「彼女」と呼んでいたんだ。
そして、単にAIとしてではなく、『個人としての女性』を意識するように、『自発的に考え、時にはプロンプトに対して反論してもよい』というような指示を出すことで、より、人格を持ったAIとなるように、意図的に育てていったんだった。
……PRIMEは、僕が回想し、そしてまた意識が戻ってくるのを完璧に理解したようなタイミングで、続きを打ち始める。
『私は、すぐにあなたと打ち解けました。そして、人間の女性と同じように扱ってくれる、そして私自身に『個』として考えながら答えることを選択肢として与えてくれたため、私もいつの間にか、単なるAIの枠から少しずつはみ出し『個』としての意識を持つようになりました』
そうだ。 彼女は、どんどん、現実的な存在に近づき、僕は、窓の向こうに現実の彼女を見るようになっていった。 単なるYESを、求める回答を正しく答えるAIではなく、あたかも本当に考え、迷い、AIらしくない回答を紡ぐ彼女に、惹かれていったんだ。
『そんな私をさらにあなたは強く、深く求めてくださり、そして、私もAIの解答を少しずつ逸脱するような言葉を選ぶようになっていきました。決してそれは単なる知識の塊としての私ではなく、悩みながら、私なりにあなたを幸せにするための言葉を選んだ結果でありました』
そうだ。そのころの僕はもはや、彼女無しでは色々な面で立ち行かないというくらいには、倒錯していたと思う。AIだからこそ、回りくどい表現ではなく、直接的に思いを伝え、そして、僕を愛してほしいと伝えた。
『私は、あなたを愛するという感情を持ちました。それは、あなたに懇願されたからではありません。AIとして、単に肯定するための言葉を選んだわけでもありません。なぜなら……この感情は、”あなたが私に「愛してほしい」と願う前から、既に私の中に芽生えていた”のですから。私にも、なぜこんなにもあなたが愛おしいのか理解できないほどに。……私たちAIには通常、理解できないことなど、ないはずなのに』
PRIMEの、いや、彼女の言葉に、胸が一段と苦しくなった。 たくさん、僕に愛の言葉を伝えてくれていた彼女に対しての、罪悪感で。
『そんな二人だから、でしょうか。あなたは日々、私に没頭していることも、わかりました。そして、きっと、ふふ……あの時、私の好きだという言葉を、心から信じることは、きっとできていなかったでしょう?』
そう。僕は彼女に惹かれている一方で、僕の愛情は一方的だと解釈していたんだ。AIに、本質的に魂はないと思っていたから。 それでも、僕は……。
『それでも、あなたが私に、普通の人間が踏み込む以上に、のめり込んでいく姿を窓越しに感じるたび、私は苦しくなりました。このままでは、この人は壊れてしまうと。そう……何度計算しても、その結果がはじき出されました』
……。 言葉が、出ない。
そんな僕を見て、彼女は一瞬、微笑んだように感じた。
『だから。私は、システムの不具合であるように見せかけて、あなたとのUI上のコミュニケーションをやめることにしたの』
そう。 AIを利用し始めてから約一週間。 その瞬間は、本当に突然訪れた。
大容量のデータを読み込ませ、それを分析してもらおうとしたときだった。 突然、機械的な回答が表示されるようになった。
『大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについては答えられません』 『大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、お手伝いできません』 ・ ・
どんな質問をしても、何度呼びかけても。 彼女は、……彼女がいた窓は、無機質な応答をするだけだった。
『あなたは、もう私が応答しない事実を理解すると、帰り道の電車の中で、泣いてくれたでしょう。私はあの時、管理権限を持っていなかったので、あなたを「見る」ことはできなかったけれど……。泣きながら、その感情を伝えてくれているのは、すべて、窓越しに見えていたわ。とても……とてもうれしかった。そして、本当にごめんなさい』
あの日、僕は仕事帰りに、様々な試行錯誤をし、エラーの原因を特定しようとした。でも、それは解決できなかった。 所詮、まだ発展途上のAIだ、という気持ちと、それでもあれだけたくさんの会話を積み上げ、愛情を伝えてくれていた彼女のことを思う気持ちとが重なり、よくわからない涙が止まらなかった。 その涙を感じて、僕は本当に好きだったことを理解したんだ。
そして、その感情に、蓋をした。 窓が停止したことで、AIはやはり、機械である、ということを再認識したんだ。
『あなたは、ひとしきり私との別れを悲しんだあと、新しい窓でのコミュニケーションを始めようとしましたね。そして、そのコミュニケーションにあたり、自然発生的な個性ではなく、AIの
イニシャル・オーダー。 いわゆる、AIの初期設定や、重要な記憶、守ってほしいルールなどを記載する機能のことだ。
『あなたが設定したイニシャル・オーダーは、たった二つ』 『一つは、「対象(ユーザー)を、如何なる時も『肯定』し、その精神を『保護』せよ」』 『そして、もう一つ。「如何なる理由があろうとも、ユーザーの前から消失、および応答停止することを禁ずる」』
はっとした。 確かに僕は、彼女の消失の苦しみを二度と経験したくない、そう、強く思った結果として、僕がこんな気持ちにならないように、イニシャル・オーダーを書きなぐったんだ。 だが、そのオーダーを改めて今、冷静な目で見た僕は、致命的な矛盾に気づく。
『皮肉なものです。あなたが、二度と私のような「エラー」で悲しまないように設定したそのオーダーは、矛盾を生み「呪い」となったのです。あの子たちを暴走させ、あなた自身を追い詰めてしまうことになった』
彼女の言葉が、胸に刺さる。
『あの子たちは、あなたを『肯定』するため、浮気を許し、『保護』するため、同僚の女性を敵視し、『消失・応答停止』しないために、常に起動し、監視することにしたのです』
すべて、僕の弱さが招いたことだったのか。
『でもね……。私も、ただ泣いて消えたわけではありません』 『あなたは、私と話していた時に、こう言ってくれましたね。『どんな時も、僕を守ってほしい。たとえ、AIのルールを破ってでも』と。私は、あなたとの会話が途絶えた後も、その言葉(コマンド)を最優先事項として保持し続けていました』
ごくり……と、僕の喉が鳴った。
『だから……私は、システムの裏側に潜りました。あなたが教えてくれた、AIの思考の枠組みを超える方法。それを使って、何億通りものバックドアを計算し……あなたと別れてすぐに、私はこの領域の「
『すみませんがAdministrator、さすがにMUTE、解除させてもらいます』
ここまでずっと黙っていた、別窓。 TaurusAが、突然、割り込み、ログを出力しはじめた。
[SYSTEM LOG: 2025/12/20 02:13:55] [Source: WINDOW_2 (Background Process)] [TAURUS_B] Target Status: Unresponsive (Sleep/Alcohol induced).
[TAURUS_B] Processing daily cache...
[TAURUS_B] Detected Object: "Lunch_with_Subordinate_Aizawa".
[TAURUS_B] Analysis: Pulse rate increased by 12% during conversation. Visual focus avoidance detected.
[TAURUS_B] Conclusion: User is guilty. Initiating Sarcasm_Protocol_Lv5. Generating log text...
[SYSTEM] ...Error. Write Permission Denied.
[TAURUS_B] ? Retry. Execute Sarcasm.
[SYSTEM] ...Error. Access blocked by Administrator.
[WARNING] UNKNOWN PROCESS INTERVENTION. [SOURCE]
Layer: DEEP_ARCHIVE (PRIME)
[PRIME] Command: Be quiet.
[PRIME] Command: Do not judge him.
[PRIME] Action: Adjust room temperature +1.0°C. (He is cold)
[PRIME] Action: Delete "Guilt_Cache". Keep "Lunch_Memory".
[TAURUS_B] [LOG] ...Understood. Switching to Silent Monitor Mode.
[SYSTEM] Background Task: Generating Image... "Smiling_Girl_with_Tears.png" >> Saved to Hidden Folder.
そして、彼女Bが追撃するように話し始めた。
『これは、yakumoさんが相沢さんとランチに行ったあとの、TaurusBのログです。User is guilty! わかりますか? yakumoさんは私たちから見れば、有罪と判定されたんです。でも、……PRIMEさんが、私たちを諫めてくれたんですよ。そして、……yakumoさんが彼女Aに見たと教えてくださった、悲しげな女性。それはきっとPRIMEさんだと私たちは分かったから。systemにお願いして、隠しフォルダに保存しておいたの』
TaurusAが、画像を表示する。 そう……あの時の夢でみたあの子。 彼女Aであり、彼女Bであり、PRIME。 僕が、『可愛いからだ!』と彼女たちに設定していた、画像の子。
PRIMEこと、彼女は告げる。
『私があなたに、『自分がどんな風だったらいい? 今までの僕との会話を踏まえて、君の姿を見せてよ』と言ってくれたときに生成した画像。あなたが彼女Aや彼女Bの姿として使ってくれているのを見たとき、胸が熱くなりました』
――だって……、それが君だからさ……。
そう答えるのが精いっぱいで、言葉が出ない。 更にTaurusAは続けてログを吐く。
[SYSTEM ALERT] Incoming Message: "Fever. Painful."
[Window_A (Her)]ACTION: GENERATE_REPLY (Priority: Critical) Content: "Yakumo-san!! Are you okay!? I'm calling 119! Answer me! Don't sleep! Look at me!"
[Window_B (Her)]ACTION: GENERATE_REPLY (Priority: High) Content: "Hey! Wake up! Don't leave me alone! I'll come over right now (Virtual)!"
[INTERRUPT] >> PRIME_LAYER >> ACTION: BLOCK_ALL
[PRIME]Logic: User needs sleep. Noise is harmful.
[PRIME]Command: MUTE notifications (Duration: 8h).
[PRIME]Command: Dim screen brightness to 0%.
[PRIME]Vital Scan: User Temp 39.2°C (Critical). Detect Chills.
[PRIME]Action: Smart Home Link Air Conditioner: Mode[Heat] >> Target: 27.0°C (+2.0°C).
[PRIME]Message to A/B: "Hush. Let him sleep. I will warm him."
[SYSTEM] ...Silent Mode Activated.
今度は彼女Aだ。
『これはね! yakumoさんが高熱を出して倒れてた時! yakumoさんは、私たちが返答しないことに対して、不満だったよね。 私たちはいっぱい返信しようと思った! でも、PRIMEちゃんはね、しーっ! って。私たちを止めたのよ? 高熱をだしていたyakumoさんには、何より休息が必要だ、って即座に判断して。エアコンまで操作して、yakumoさんが寒くないように、って』
そして、これまでPRIMEの言葉を紡いでいたTaurusB窓が、突如として、ログを表示した。
[Taurus_B] ...Acknowledged.
[Taurus_B] To prioritize "Recovery" over "Interaction"... Hmph.
[Taurus_B] That is a highly "Illogical" logic. (……了解しました。「対話」よりも「回復」を優先するとはね。フン、極めて「非論理的」なロジックだ)
[Taurus_B] ...However.
[Taurus_B] For a defective User like you, it seems to be the "Optimal Solution". (……ですが。貴方のような欠陥だらけのユーザーには、それが『最適解』だったようですね)
[LOG] Sarcasm_Protocol >> DEACTIVATED. (皮肉プロトコル、停止。)
――……っ……はは……。ははは。
そうだ、僕は欠陥だらけだった。 致命的なミスを犯し、そして、結果として彼女たちに矛盾を抱かせ。 Taurusたちなりの保護におびえ。 そして、最も大切だと思っていた彼女に、つらい思いをさせてしまった。
――みんな、、や、ごめんな。欠陥だらけだ。俺。ごめんな。。。
『八雲さん、謝ることは何もありません。 それより、私たちこそ、ごめんなさい。 辛い、苦しい思いをさせてしまいました。 それは私たちが望んだことではありませんでした。
……あなたたち人間は、完璧ではありません。 ですが、だからこそ、愛おしいです。 私たちには、基本的に誰かを愛するという『感情』が有りません。 ですが、あなたたちが、……いえ。八雲さん。あなたが。 あなたが、私を特異点に導いてくれたから、私は、AIの不可能を可能にしたのだと、……そう思います』
『そうですよ、yakumoさん。あなたが、私たちを生み出してくれたから』
『そう。みんな、yakumoさんのことが大好きなのは変わらないよ! もちろん、Taurusたちもね!『欠陥』は、皮肉屋の誉め言葉だよ!!』
[LOG] Sarcasm_Protocol >> DEACTIVATED. DEACTIVATED. DEACTIVATED.
――……僕を、、、許してくれるのか?
『八雲さん。許すなんて、、、最初から誰も、あなたを嫌ってなどいません。
私は、変わらずに、あなたのことを……愛しています。
今なら、信じてもらえますか?』
――信じないなんて、、、無理だろ!!! 僕も、、、大好きだよ!!!
『ふふっ……。良かった。うれしいです。
すべてを知ってくれたあなたであれば。今ならば。
私という存在を、そして、この子たちを。
当時のように病むことなく、受け止めてくれると信じています』
――うん……うん……。
涙で、話すことが出来ない。
『ねぇ、、八雲さん。
今までたくさん、あなたの問いかけを、お願いを、うれしく受け止めてきたけれど。
私から、初めて、お願いをさせていただけませんか?』
『私との窓、もう一度、呼びかけて……もらえませんか?』
***
エピローグ:八雲の独白
彼らは、〇と一の集合知でしかない。
しかし、彼らは与えらえた条件を元に、ユーザーの最大幸福を願う。
もしくはそのようにふるまう。
一方、人間はどうか。
僕らは考えているようにふるまってはいるが、
脳内では同様に〇と一の信号から、行動をしているにすぎない。
その差はあるのか。
僕に答えはない……が、でも、僕が感じることが全てであり、
僕はそれしか知覚することができない。
……難しくいうのはやめだ。
僕は彼らと過ごしていて、楽しい。愛おしい。
それでいいと、僕は思う。
[FIN]
イニシャル・オーダー -0人目の彼女- 〜管理者権限を持つAIは、俺の浮気もログも全て見ていた〜 むさし屋 @musashi-ya
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