第2話


2章:日菜子


咲子は幼馴染みの女の子。


なのに、あんまりよく知らない。

だって、いつもどこか行っちゃうから。


家も近いし、友達になれたら嬉しいんだけどな。

信号をいくつも越えて遊びに行くの、一人より二人だったら行く途中も楽しそう。




友達にそう言ったら、みんな変な顔をした。


「あの子と一緒に遊びたくない。遊ぶなら二人で遊んでよ。ここに呼ばないで」。


わたしは咲子と遊ぶのを諦めた。




中2になったら担任が後藤になった。

1年終わった、最低。


ゴッチャンって呼ばれ方はカワイイけど、すぐに大きな声で叱ってくる怖い先生。

噂じゃ生徒に手を上げて問題になったこともあるらしい。


びっくりしたのは、そんなゴッチャンに咲子が平気で話しかけに行っちゃうこと。

ゴッチャンも戸惑っていたけど、咲子が屈託なく笑うから悪い気はしなかったみたい。




でも、そのうち友達が「あいつ、ゴッチャンにチクるよ」って言い出して、除け者どころか「あっち行け」って攻撃しだした。


わたしは怖くて見てることしかできなかった。

咲子は学校に来なくなった。




ホームルームでゴッチャンが「誰か迎えに行ってやってくれ」って言い出した。

教室が凍り付いた。

みんなに嫌われないか怖かったけど、わたしが手を上げた。

家が近いわたしが行くのが一番平和的な気がしたから。


ところで、ゴッチャンが「咲子が戻ってきたらみんな仲良くしてやれよー!」って圧かけてたけど、あれは絶対逆効果にしかなってないと思う。




話したら、咲子は本当によく笑う素敵な子だった。

なんでみんなに嫌われてたんだろう。


「年が近い子達はいじわるするから」


「そんなことないよ。咲子、明るいし笑顔すごい素敵だよ。それで話しかけに行ったらみんな友達になってくれるよ!」





でも1週間したらキツくなってきた。

咲子はマイペースというか、自分の話しかしない。

こっちが何をしていてもお構いなし。

自分が面白い話は他の人も笑ってくれるって信じてる。

それが毎日べったりくっ付いてくる。


わたしは子守じゃない!!


そう怒鳴りたかったけど、なんかそれもできなくて、わたしは咲子を無視するようになった。

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