第17話 朝の講義と隣の席

大学の朝は、高校よりも静かだった。

 同じ時間に集まっているはずなのに、空気がばらばらで、誰もが自分の世界を持っている。


 蓮は講義室の後ろの方に座り、ノートを開いた。

 少しして、隣の席に人が座る気配がする。


「……伊東くん」


 小さな声。

 顔を向けると、薫だった。


「澄田さん」


 周囲に人がいるから、呼び方はそれでいい。


 でも、同じ講義を取っていることが、少しうれしかった。


 教授の声が淡々と響く。

 内容は難しくもあり、眠くもある。


 ふと横を見ると、薫は真剣な顔で板書を写している。

 その横顔を見て、蓮は思う。


 ――こういう時間を、一緒に過ごしていくんだな。


 恋人、というより、

 同じ時間を生きる人として

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