第18話 昼休みの距離感

昼休みは、それぞれ別だった。


 薫は学科の友人たちと食堂へ行き、

 蓮はサークルの先輩に呼ばれて別の席に座る。


 同じ建物の中にいるのに、

 同じ時間を使っているのに、

 交わらない時間。


 それが、少しだけ不安になる日もあった。


 食堂を出るとき、偶然すれ違う。


「お疲れ」


「午後もある?」


「うん」


「頑張ろ」


 それだけの会話。

 でも、確かに気持ちはつながっている。


 高校のときのように、

 ずっと一緒じゃなくていい。


 そう思えるようになったのは、

 大学に来てからだった。

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