第9話 天変王子は隣国を滅ぼす

 急ぎ軍を再編し、ボナデアの捕虜の殆んどを国境要塞の崩さなかった棟に収監して、要衝を制圧しながらボナデア王都に向かう。


 ボナデアは今回の戦争に多くの兵を費やしたので、守備する兵が少ない上、こちらにファナがいるのも大きかった。


 ファナの説得で、無用な争いも多くを避ける事が出来た。


 何度か小規模な遭遇戦が起きそうな時も、ファナの説得で将校達を説き伏せ、こちらに引き込む事にも成功している。


 要衝や遭遇した兵を吸収した我が軍が、ボナデア王都を包囲した際にも、ファナの呼び掛けに応じて無血で王都内に入る事が出来た。


 ファナから事前に聞いていた避難通路を塞いだ状態で王城を包囲し、ファナの呼び掛けで、これまた無血開城となり、城内の者の手により王と王太子が捕らえられた。


 王と王太子、どれだけ人望が無いんだよ?


 まあ、ファナの話ではクソと愚者らしいから、当然の結果と言えるのか?


「我等を誰だと思っている! 今すぐこの縄を解け!」


「代々続けて国策を誤り続けて、碌に改善しようとせず、その解消策として我が国を何度も脅かして来た愚王とそれを何とも思っていない愚者」


「巫山戯るなァ! 貴様等が土地を差し出さないから争いになったんだろうが!」


「今時、盗賊でも、そんな訳の解らない理屈は言わないぞ? 愚者よ?」


「ファウナ! 何故、お前が此処にいる?

 負けて捕らえられでもしたか?

 この無能めが! それとも、この男にコマされて裏切ったのか!?」


「……」


「そうだ、最初からお前は裏切っていたんだろう!

 こいつを使って王位を簒奪する為に!

 この売女めがッ ぐぎゃあ!」


「本当に、これがお前の身内か?

 余りにも醜悪過ぎるぞ?」


「恥ずかしながら身内だよ……」


「もう聞くに堪えないな、連れていけ!」


「巫山戯るな! 我は王ぞ! このボナデアの父ぞ! 離せ! 離せええぇぇぇ……」

「何だ!? 止めろ! パパ助けて!

 パパアアァァァ……」


「念の為に聞くが、母君は真面なのか?」


「……」


「……そうか、父兄は助ける事は出来ないが母君は幽閉と言う事でいいか?」


「ありがとう……」


 その後、王と王子を公開処刑し、王妃は幽閉する事とした。


 こうしてボナデア王国は滅びた。

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