第7話 天変王子は部下に翻弄される
「隊長、雨、降りましたね?」
「嗚呼、降ったな」
「しかも、ザーザーじゃないですよ?
ザーザーザーですね」
「その基準はよく解らんが、
そうだな、ザーザーザーだな」
「彼方さんが来るタイミングバッチリじゃないですか?」
「嗚呼、バッチリだな」
「きっと私の雨乞い踊りが良かったですよ。
ふふん」
「そうだな、良かった良かった」
「まあた、気の無い返事ばっかりですね?
そんなに愛しの彼女の事が気になりますか? この浮気者っ!」
「確かに気にはなっているが、その浮気者は誰が誰に対してだ?」
「勿論、私と言う者がありながら、隊長は他の女に想いを寄せてるじゃないですか!
許しませんよ!」
「いや、お前普通にただの部下だろうが?」
「ひ、ひどいっ! あれは遊びだったんですね!?」
「思い当たる節がひとつも無いんだが?
人が聞いたら勘違いするから止めろ!」
「ふっふーん、それが私の計略なのですよ! 名付けて『火の無い所でキャンプファイアー』です」
「意味が解らん。
それだと、ただの組まれた薪なんだが?」
「そこで、ワタクシめが、根も歯もない噂を立てまくって、その薪に爆弾投下ですよ!」
「爆発して薪は木っ端微塵だな?
て言うか、これ何の話だ?」
「敵が近付いて来るまでのつなぎの会話ですよ。
敵大将の渡河の完了を確認、敵本隊が渡河を開始しました」
「このクソガキが……良し、縄を切れ!」
ゴッ
「イタッ、隊長痛いですよ?
早くも家庭内暴力ですか?」
「いい加減、巫山戯け過ぎだ。
姉上にこんな所を見られたら間違い無く、お前殺されるぞ?」
「鬼姫殿下はここにいませんからね。
今頃、喜び勇んで前線に向かっている事でしょう。
あの人、戦大好きの殺人ゴーレムですし」
「その殺人ゴーレムはまず誰を殺すと思う?」
「そりゃあ勿論、隊長の愛しのき……み?
これは姫殿下、本日は天気にも恵まれ、良い日でございますね!
ほら、ご覧ください!
あの黒々とした雲を!
まるで、全く見通しか利かない姫殿下の縁談の行く末の様じゃありませんか?
ぐげっ!
頭! 頭を掴まないでください!」
「ルーナ? 随分な言い様じゃないか?
人生最後の台詞はさっきので問題ないか?
安心しろ、苦しむ様に殺してやる」
「安心要素ゼロ!
これは、アレですよ……そう、隊長が余りにも敵大将を思慕し過ぎて慮っているので、副官として元気を出して戴こうとですね!」
「見え透いた嘘ばかり並べおって!
素っ首叩き切ってやるわ!」
「姉上、お楽しみの所を申し訳ありませんが、そろそろ行きますよ?
それとルーナは普段は頭が大分おかしいですが、仕事は確りやってるので大目に見てやってください」
「チッ、命拾いしたなッ!」
「隊長ー! ありがとうございます!
愛ですね、やっぱり私の事を愛しているんですね?」
「アイはアイでも哀憐のアイな?
なんで、これで仕事だけは出来るのかが俺には全く解らん」
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