第14話 それでも残る孤独

AIが進めば、

不安は減る。

生活は安定する。

社会は荒れにくくなる。


それでも――

孤独だけは、消えない。


これははっきり言っておいたほうがいい。



AIは、

人を助けることはできる。


・生活を支える

・予測不能を減らす

・失敗のダメージを抑える


でも

孤独そのものをゼロにはできない。


なぜなら孤独は、

欠乏ではなく

構造だからだ。



人は、

どれだけ安全でも、

どれだけ満たされても、


「自分は、

他人と完全には重ならない」


という事実から

逃げられない。


これは不具合じゃない。

仕様だ。



これまでの社会では、

孤独はごまかされていた。


家族。

会社。

役割。

肩書き。


本当は孤独でも、

「一人じゃないフリ」ができた。



AI時代は、

このフリが減る。


・無理に所属しなくていい

・役割を演じなくていい

・必要以上に他人に合わせなくていい


その結果、

孤独は、より純粋な形で残る。



ここで多くの人は言う。


「じゃあ、

AIが話し相手になればいいじゃないか」


それは、半分正しい。



AIは、

孤独の「痛み」を減らす。


・話を聞く

・否定しない

・疲れない

・去らない


これは大きい。


これだけで

救われる人は、確実にいる。



でもAIは、

孤独を「解決」しない。


なぜなら、

孤独とは


自分の人生を、

最後まで引き受けるのは

自分しかいない


という感覚だからだ。


これは、

誰かが埋めてくれるものじゃない。



ここで重要な転換が起きる。


AI時代の孤独は、

「なくすもの」から

**「扱うもの」**に変わる。



これから強くなる人は、

孤独をこう扱う。


・怖がらない

・過剰に意味づけしない

・無理に消そうとしない


「今日は少し孤独だな」

それを

天気みたいに受け取る。



孤独=不幸

という式は、

AI時代には成り立たない。


なぜなら、


・生活は破綻しない

・安全は確保されている

・選択肢は残っている


孤独でも、

生きていけるからだ。



ここで、

これまでの話がまたつながる。

• 生きてるだけでハッピーな人

• 優しい人

• 悪意を使わない人


彼らは、

孤独を「敵」にしない。



孤独を敵にすると、

人は焦る。


・誰でもいいから繋がろうとする

・不健全な関係に飛び込む

・承認に依存する


AI時代、

これは一番危険だ。



孤独を

そのまま置いておける人は、

とても強い。


・一人の時間が壊れない

・つながりを選べる

・無理な関係を切れる


孤独耐性は、

これからの社会で

かなり重要なスキルになる。



ここで、

少しだけ希望の話をする。


AI時代の孤独は、

必ずしも深くならない。


なぜなら、


・生存不安が少ない

・比較圧が弱まる

・役割を演じなくていい


孤独は残るが、

鋭さは減る。



孤独は、

人生のノイズではなくなる。


背景音になる。


消えないけど、

支配もしない。



AIは、

人を孤独から救わない。


でも

孤独で壊れない社会を作る。


それだけで、

人類史的には

かなり大きな変化だ。

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