第10話






 もしゃもしゃ、フルーツサンドウィッチを頬張りながら、ありったけの


 反発をする私に、対抗するように横からぶつくさ言うから。




 静かに、お昼も堪能できないのが、なんだか哀切あいせつきわまる話だけれど、





 でも、肩身が狭い。とは、

 一度だって不思議なことに、感じたことは無い。





 カーフェイさんは基本的に、(と言うか、髪散らかし男のほうが、主に、口の締まりが緩いのだが)あまり、口を開かない人らしく。



 彼の代わり。と言ってはなんだが、ごちゃごちゃと五月蝿うるさいのが

 シルバーブルー頭の、ヤツに限るが。





 しかし、両者どちらにしたってきっと、お仕事柄、


 私以上に忙しいとは思うのに、このお昼の時間を欠かしたことは、

 今の一度だってないワケで。





 ・・・・・なんで、そうまでして私と、時間を割いて、

 過ごしてくれる、のか。




 好意を寄せてくれて、る・・・?なんて、おごった思考は、さすがに厚かましい、し持たないようにしてるし、



 まず有り得ない。





 ・・・・と、思う、さすがに無い。





 この人たちだったら、わざわざ自分から行かなくったって、立っているだけで芸術品のようである。




 誰彼構わず、ひとを引き寄せるし、寄り付かなくさせることだって、可能。





 こんな、芸術の神さまが精魂込めて造り上げたような、しなやかな美しさ、その上には人外の美貌がある。





 美しさだけじゃない、


 リムジンを遣わせているぐらいの、地位の高さだと推定すると、

 どれだけのお偉いさん。なのだろう。





 「────知りたい、」と思う反面、コワイという対極の感情も浮上する。





 もっと自分に柔軟性があって、磊落らいらくだったら?


 この際、奮って自らを省みて、中身を総取っ替えする事ができたら、





 ────…でも。




 知ったら最後・・・・、

 取り返しのつかない「ナニカ」で大きく、つまずきそうで・・・・・・、





 そう予測を立てだしたら、キリがないと解っていても、

 齷齪あくせくと頭がフル稼働する。





 ────…だから今日も私は、

 知らぬ存ぜぬで自らを誤魔化し、

 蓋をする


 境界線の、一線を、

 超えてしまわないように



 臆病者



 だけれど私は、

 臆病であるからイマの自分の弱さに、

 ひたむきに

 取り組むことができるのだと



 そう、

 逃げることにして────…



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マフィアの弾丸 ふゆ @amano_fuyu135

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