第6話 怪物の正体!
ドラゴン侍
第6話 怪物の正体!
竜の村。サチの家。
「行ってきます!」
可愛い妹のサチがお出かけする。
「ハチ、いつもサチ、どこに行っているんだ?」
兄の竜之介がペットのハチに尋ねる。
「リュ、リュリュリュリュ。」
ハチは可愛い犬みたいに見えるが、正体は竜神様である。
「何を言っているのか、全く分からん!?」
竜の言葉は、サチの様に純粋で無垢で汚れを知らない者しか分からない。
代官屋敷。
「こら! 桔梗屋! 用心棒も役に立たないではないか!」
「すいません! 悪代官様!」
毎日、漫才の稽古に余念がない悪代官と桔梗屋。
「今度は俺が山に山賊を仕込んでおいた! 通行料として通行人から金品を奪いまくってやる!」
「いよ! さすが! 悪代官様!」
よいしょ役の桔梗屋である。
「何をいう。桔梗屋、おまえには適んぞ。」
「千両箱がザックザク! ワッハッハー!」
益々冴えわたる悪事のネタ。
竜の村。サチの家。
「大変じゃ! はあ、はあ、はあ・・・・・・。」
慌てて庄屋さんがやってくる。
「どうしたんですか? 庄屋さん。」
「あれ? お茶は?」
「今日はサチが山に芝刈りに行ったのでありませんよ。」
「ガーン!」
しょんぼりする庄屋さん。
「で、どうしたんですか?」
「山に山賊が出るようになって、村人が通行料を取られたり、若い娘がさらわれたり、困っているんじゃ。」
村の庄屋さん(村長)が状況を説明してくれた。
「なんだって!? サチが危ない!? 待ってろ! 我が妹よ! 直ぐに駆けつけるからな! 行くぞ! ハチ!」
「リュ!」
竜之介とハチは一目散に駆けて行った。
「えっ!? わしはどうすればいいの?」
庄屋さんは置いてきぼり。
竜の谷。
「怪物さん。お兄ちゃんの病気を治してくれてありがとうございます。ポイッ。」
あれからサチは怪物との約束を守り、毎日竜の谷におにぎりを投げ込んでいた。
「これで本当に怪物さんにおにぎりは届いているのだろうか? う~ん。分かんない。」
実感がないので首を傾げるサチであった。
竜の谷底。
「うまい! 地上の食べ物は格別だな! 美味美味!」
怪物の日課は、地上から舞い落ちるおにぎりキャッチゲームだった。
「そうかな? 私が作った闇鍋の方が美味しいと思うんだけどな?」
もちろん闇鍋の材料は、捨てられた不法投棄のゴミや、足を滑らせて落ちてきた牛などである。煮込むと良い出汁が出るらしい。
「どんな味覚だよ!?」
「エヘッ!」
竜の谷の底には、実は怪物は二人いた。
「許してほしければ、30日続けて地上の食べ物をお供えして貰えだと!? そんな奇特な人間がいる訳ないだろうが!? みんな! 師匠が悪いんだー!!!!!!」
怪物には師匠がいるらしい。
「悪いのは不正をした、ヒカリだろ。」
「アハッ!」
怪物の名前はヒカリ。
「そんな冷たいことを言わないでよ。ナラク。私たちは、この暗闇で奇跡的に出会った親友なんだから。」
もう一人の怪物の名前はナラク。
「光の師匠は優しいと思うよ。罰で谷底に落としても一か所だけ地上の光を与えてくれたんだから。」
「ふざけるな! あんな小スペースの陽の当たる場所だけで、私に、どうチャージしろと言うのだ!? うおおおおおおー!」
確かに竜の谷には、竜の花が咲く微かな光と怪物が住んでいた。
帰り道。
「俺は山賊だぞ! 金に食べ物を置いていけ! 女、子供は高く売り飛ばしてやる! ワッハッハー!」
「うえ~ん! 助けて! お兄ちゃん!」
サチは、山賊に遭遇して恐怖で泣いた。
「サチ! お兄ちゃんが助けに来たぞ!
「お兄ちゃん!」
妹の危機に竜之介が走って現れる。
「行くぞ! ハチ!」
「リュ!」
「竜装! 変身! 竜侍!」
ピカーン!
「リュー!!!!!!」
竜の咆哮と共に光り輝き、ハチが竜の鎧になり、竜之介の体に装着していく。
「弱者の味方! 竜の侍! 参上!」
竜之介は竜の侍に変身した。
「なんだ!? おまえは!?」
「悪党に名乗る名前はない!」
「なら、悪党に倒されるがいい! でやああああー!」
山賊が斧を振り回してくる。
「負けるもんか! 勧善懲悪! 必殺! 竜斬ー!!!!!!」
竜之介は竜の一撃を放つ。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
山賊は吹き飛ばされて星になる。
「正義は勝つ!」
竜之介は無事妹を守ることに成功した。
「これでサチも村人たちも安心して山を通れるな。」
めでたし、めでたし。
竜之介の家。
「サチ。いつも山に何しに行っているんだ?」
「内緒。」
いつもの様に竜之介、サチ、ハチはご飯を食べている。
「今日みたいに山賊が出たら危ないだろ。」
「大丈夫。ハチを連れて行くから。」
「リュ!」
「いざとなったら、私が竜の鎧を着て悪者を退治するよ。」
「マジか!?」
サチ、竜の鎧装備バージョンフィギュア。絶賛発売中。
「おかわり!」
頼もしいサチであった。
つづく
ドラゴン侍 渋谷かな @yahoogle
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