第4話 お兄ちゃんを救え! サチの大冒険!

ドラゴン侍


第4話 お兄ちゃんを救え! サチの大冒険!



 竜の村。


「う・・・・・・あああ・・・・・・うおお・・・・・・。」


 兄の竜之介が病気にかかり高熱で苦しんでいる。


「お兄ちゃん!? 死ぬ!?」


 その様子を見た妹のサチは直感的に兄は死ぬと思った。


「どうしよう!? どうしよう!? お医者さんは村にはいないし!?」


 オドオド踊るしかないサチ。


「リュ、リュリュリュリュ。」


「えっ? 竜の花を煎じて飲ませれば病気が治るって!?」


「リュ。」


 竜のモフモフペットのハチが病気の治し方を教えてくれる。


「お兄ちゃん! 待ってて! 必ず助けるからね! ハチ! 場所を教えて!」


「リュ!」


 兄を助けたい、サチの大冒険が始まる。



 上空。


「わ~い! 鳥さんになったみたい! サチ、空を飛んでる!」


「リュ~!」


 サチはハチの背中に乗って、大空を羽ばたいていた。

 

「ハチ。竜の花はどこにあるの?」


「リュリュリュ。」


「竜の谷にあるって。」


「リュ。」


 兄の病を治すには竜の谷に咲く、竜の花を手に入れなければいけなかった。 


「リュリュリュリュ、リュリュリュリュ。」


「えっ!? 竜の谷の底に咲いていて、化け物もいて、生きて帰ってきた者はいないって!?」


 とても危険なクエストだった。


「こ、怖いな・・・・・・でも、おにいちゃんのために勇気を出すんだ! うおおおおおおー!」


 サチは兄のために小さな勇気を振り絞る。


「リュリュリュ。リュ!」


「大丈夫! 僕は空を飛べるから。ふ~う。良かった。ありがとう。ハチ。」

 

「リュ。」


 竜の花の入手は、普通は不可能なミッションであった。


「お兄ちゃんのために頑張るぞ!」


「リュ!」


 サチとハチは加速して竜の谷に向かう。



 竜の谷。


「うわあ・・・・・・底が見えない!?」


 竜の谷はとても深い谷だった。


「ハチ。よろしくね。」


「リュ。」


「絶対に竜の花を手に入れて、お兄ちゃんを助けるんだ!」 


 竜のハチは背中にサチを乗せて竜の谷に突撃する。



 竜の谷、そこに移動中。


「ドンドン暗くなっていく!? 太陽の光がほとんど届いてないんだ!?」


 不気味な竜の谷はそこに近づくほど、視界が暗くなり何も見えなくなる。


「リュ!」


「もう底なの!?」


 遂にサチたちは竜の谷の深層部にたどり着いた。


「真っ暗!? こんな所で竜の花なんて見つけられないよ!?」


「リュ・・・・・・リュ!? リュリュ!」


「えっ?」


 諦めかけたサチにハチが何かを教える。


「ひ、光だ!? あそこだけ地上の光が届いているんだ!? ハチ! 行ってみよう!」


「リュ!」


 サチたちは、奈落で唯一、光が降り注いでいる場所に向かう。


「あった! 竜の花だ!」


 光が当たっている場所には、きれいな花が咲いていた。


「やったー! これでお兄ちゃんを助けられるぞ!」


「リュ!」


(こら! 私の花を勝手に採るな!)  


 暗闇の中、サチたちに奈落の怪物の声が聞こえてくる。


「怪物さん! お花をください! この花がないとお兄ちゃんを助けることができないの!」


(いいだろう。その代わり条件がある。)


「条件?」


(地上に戻ったら、谷に食べ物を投げ捨ててくれ。私はそれを食べるから。)


 怪物は花を渡す代わりに、食べ物を要求してきた。


「いいよ。おにぎり1個ね。」


(ムムッ!? 手強い!? その代わり30日連続な。)


「仕方がない。これもお兄ちゃんを助けるためだ。その条件をのむよ。」


(よし。交渉成立だ。)


「怪物さん。ありがとう。」 


 サチは無事に竜の花を手に入れて、地上に戻っていった。


 めでたし、めでたし。



 竜之介の家。


「サチ、ありがとう。」


「良かったね! お兄ちゃん!」


 竜の花を煎じて呑ませ、兄の竜之介は元気になった。


「ハチもありがとう。」


「リュ。」


 兄はハチにも感謝する。


「今日は楽しかったな!」


 サチは初めての大冒険をしてワクワクが止まらなかった。



 竜の谷の奈落。


「美味い! やっぱり握り飯は格別だ!」


 怪物もおにぎりを食べて大喜びだった。


 つづく

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