4月6日 豪雨

朝、房枝はいつもより遅く起きてきた。

顔色が少し悪かったけれど、

「大丈夫」と言って、無理に笑った。


朝食は、ほとんど手をつけなかった。

コーヒーも半分残していた。


「今日は、出かけないでいい?」

そう言われて、うなずいた。

理由は聞かなかった。


昼過ぎ、少し横になると言って寝室へ行った。

眠っている顔は、静かだった。

呼吸が浅い気がして、

何度か、胸の上下を確かめた。

心配だった俺は、房枝の元を離れなかった。


夕方、目を覚ました房枝は

「ごめんね、もう大丈夫」と言った。

その言葉が、なぜか一番つらかった。

助けたいのに、助けれない。逃れられない。

そんな、気持ちが頭の中で交錯する。


夜、雨が降り出した。

窓の外を見ながら、

今日は日記を書くのをやめようかと思った。

でも、書いておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君に、雨は似合わない 残間 みゐる @shunnna0829

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画