第5話新しい発見ばかりです
『最初の町』近くの森の中。そこでレベリングのために狩るモンスターを探しているところです。
あ、いました。あれはホーンラビットですね。レベルは6と表示されています。ホーンラビットとはウサギの見た目をしており、額の中心から一本の角が生えているモンスターのこと。序盤のモンスターにしては割と強めです。
「スライムさんたち、あのホーンラビットに向かって攻撃してください!」
五匹のスライムさんたちが返事をしてから、一斉にホーンラビットに飛び掛かりました。
五匹の物理体当たりアタックによって、総ダメージは一度に15入りました。
「キキキキキィー!」
私たちを威嚇する声を上げたホーンラビット。
ウサギらしく素早い動きで、とろろんさんに反撃のキックをしてきた。素早さはさすがに向こうのほうが早いようです。
とろろんさんの身体に蹴りが入ってしまった。10ダメージ入った。
「プリュリュリュ……」
「大変! 大丈夫ですか、とろろんさんっ!」
「プリュー!」
へっちゃらだよと、言わんばかりに身体を弾ませているとろろんさん。
「良かった。なんとか大丈夫そうですね」
でもどうしましょう? ホーンラビットの動きは俊敏。最初の攻撃以外は当たりずらそうです。むむむー……これではかなり苦戦しそうですね。なんとか動きだけでも封じられないかな……。
「そうです! 試しにあのスキルを使ってみましょうか。従魔スキルの『粘液吐き』をみなさんやってみてください!」
「プリュリュー!」「プププー!」「ブールー!」「ポーポー!」「プンプン!」
了解と、言いたげな返事をスライムさんたちがしてから、口から一斉にブシャーとねちょねちょとした粘液を吐き出した。ホーンラビットにそれが命中。
五匹分の粘液に絡まったことで、ホーンラビットの動きが一気に鈍くなりその場で項垂れている。
「今です、みなさん一気にやっちゃってください!」
ポカポカとみんなが殴り始めた。これでは五匹のスライムさんたちによる、一方的なウサギ狩りですね。
ホーンラビットのHPは300。さっき15ダメージを与えたから、あと19回殴れば倒せますね。
ということで、スライムさんたちが頑張ること数十分。ついにホーンラビットの撃退に成功。
「やりましたねー。皆さんお疲れ様ですー!」
「プリュリュー!」「プププー!」「ブールー!」「ポーポー!」「プンプン!」
みんな嬉しそうに飛び跳ねています。
ピコンと音がしました。ステータスが更新されたみたいですね。
ステータス画面を開いて確認する。
「ええと、あれれー、すごいです! 一気にレべルが3から5に上がっていますよ! やりましたー!」
レベル3の状態からレベル6のモンスターを倒したから、きっと経験値ボーナスが入ったのでしょう。
ステータス画面には更にこう書かれています。
『レベルが5になったことにより、スライムたちが従魔スキル『酸性の粘液』を覚えました。これの説明文には、敵に酸性の粘液を放出し、当たった場合1ダメージが入りその後二倍分ずつダメージ量が増す。ただし最大で16までとする』
「おおー! つまりこのスキルを使うと、一匹で31ダメージが入るので、五匹だと31×5で最大155ダメージ入るってことですね」
凄いです。どんどんスライムさんたちが強くなっていってますね。
「よーし、これからみんなでじゃんじゃんレベリングしていきましょう!」
「プリューリュー!」「プッププー!」「ブルルルー!」「ポッポー!」「ププン!」
ホーンラビットを一匹見つけた。倒しちゃいましょう。
「みなさん『酸性の粘液』をお見舞いしちゃってください!」
ビチャーと音を立てて、それを吐き出す五匹のスライムさんたち。もろにホーンラビットに直撃。
「キーエイイイイイ!」
痛そうな悲鳴を出しています。可哀想になってきました。ウサギさんごめんなさい……。
155ダメージが入りました。残り体力は145。まだ倒せませんね。
『酸性の粘液』のリキャストタイムは15秒。それまで、『粘液吐き』で場を繋ぎましょう。
「次は『粘液吐き』です、スライムさんたち」
みんなが一斉に放出。噴水みたい。どろどろの粘液まみれになったウサギさん。身動きとれず苦しそうです。
15秒たってから、もう一度『酸性の粘液』を使用。無事に撃破。
経験値美味しいです。なんだか順調ですね……。とはいえ、それほど効率的に進められている訳でもないですね。
間違っても、これからヌルゲーになるはずないです……よね?
それより今はレベリングに集中です。
ホーンラビットを狩ること数時間半ほど。
「ついにレベルが10になりましたー」
このゲームはレベル10上がるごとに、ステータスを獲得して、割り振れるようになります。
今回の貰えたステータスポイントは30。それをLUCKに全振りしました。
更にピコンと通知音。ステータス画面を開くと、こう書かれていました
『スライムのレベルが10になったので、スライム五匹が従魔スキル『合体』を覚えました。これを使用すると、戦闘中五匹のスライムは合体して、ビッグスライムに変身することが出来ます。ビッグスライムになるとスライムたちのステータス値が大幅に上昇する』
「なんとー! こんな強そうなスキルがあるのですね」
これは新発見です。長年、このゲームをやってきましたが、この感じだと、まだまだ知らないことだったり、やり込みがいがありそうですね。
「スライムさんたちが強くなっていってくれて、私嬉しいです」
足元にいるスライムさんたちを、よしよしとなでなでしました。
「ピリュリュ!」「ププップー!「ブルルルー!」「ポポポポー!「ププーン!」
「ふふっ、可愛い声ですねー」
みんながそんな活力に満ちた声を出すと、ピコンと通知音がなった。
ステータス画面を開くと、そこにはこう書かれています。
『従魔を撫でたことで、従魔との「絆」が深まりました。「絆」は従魔を撫でること以外にも様々なことで上がる』
「なるほど、『テイマー』にはこういう要素もあるのですか」
今まで誰も『テイマー』なんてやっている人がいなかったから、こういう情報が表に出ることがなかったのでしょう。このジョブをやっていないと、普通こんなこと分かるはずありませんもの。
この「絆」っていうのを上げることによって、もしかしたら、何か良いことがあるのかもしれませんね。撫でる以外にも「絆」を上げる要素があるみたいですから、これから追々色々試してみましょうか。
今日は一度町に戻ってから、もうログアウトしましょう。さすがに疲れました。次のインはまた後日に。
『最初の町』に戻るととろろんさんの体力が回復しました。このゲームは、一度町やその他の拠点となるところに入ると、自動で回復してくれる仕様なのです。
本来ならモンスターであるスライムさんたちは、そのままでは町に入れません。
ですがそれが従魔であれば別。なのでこうして、プレイヤー同様町の中に堂々といられます。
「スライムさんたち今日はここでお別れです。それじゃあ、また明日です」
スライムさんたちが、粘液上の身体の一部を腕の形のようして、バイバイと手を振ってくれました。ふふっ、本当に可愛いですねスライムさんたちは。
それから私はゲームからログアウトしました――
「ハム☆star」現在ステータス
レベ10
・HP250
・MP 0
・STR 0
・VIT 50
・LUCK 175
・AGI 45
・INT 20
・装備なし
・アイテムなし
・所持金8500G
・習得スキル
テイム 料理スキル
従魔 スライムレベル10五匹(とろろん)(ぷりん)(ぶるー)(ぽん)(ぷー)
従魔スキル 『粘液吐き』『酸性の粘液』『合体』『絆レベル少し』
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