第3話 ある老人の死


私の名前は亀岡龍三。


拳法家だ。


私は、中国で猿拳を学び、更にそこから進化した斉天門猿拳法を学んだ。


私はそれでも物足りなく思い、そこから気を学び、ついに『斉天大聖大猿拳法』を完成させた。


この拳法は猿拳だけじゃなく伝説の孫悟空の動きを取り入れ……更に仙術を取り入れた物だ。


だが、この拳法、後に気を使う事から詐欺扱いされる事になった。


熊や虎相手に勝利するも、マスコミにより詐欺呼ばわりされた。


だが、それは構わない。


私が求めるのは強さのみ。


他人等、どうでも良い。


そう考えひたすら腕を磨いた。


◆◆◆


ある時の事だ……子連れで信子さんが私の所にやってきた。


「この子に私の武術を教えて欲しいと?」


「はい」


「私の指導は厳しく、大の大人ですら音をあげる、その結果誰もこの道場には居ない……その子には無理だ……」


「翔、ちょっと外に出ていて」


「は~い」


その時、信子さんから衝撃の話を聞かされた。


なんでも、息子の翔くんが『16歳の誕生日に異世界に転移させられる』という事だった。


荒唐無稽な話だが、信子さんの目が嘘ではないと物語っていた。


だから私は……『斉天大聖大猿拳法』の全て翔くんに叩きこんだ。


ただの拳法と翔くんは思っているようだが、この拳法の他の拳法との違いは気にある。


この気を使う事で通常では出来ない事もできる。


知らないうちに気を使える翔くんはある意味天才だ。


◆◆◆


いつか翔くんは異世界で魔物相手に戦うのだろう。


師匠の私も地球最強位にならんとな……


86歳になった今が恐らくは力的に限界だ。


今日、私は自分を越える。


そう考えシロナガスクジラが待つ海に飛び込んだ……


◆◆◆


その後、40メートルもあるシロナガスクジラの死体と1人の老人の死体が海辺にあがった。


履物が揃えて近くの海にあった事から自殺と考えられた。


その老人の死に顔は誰が見ても満足気に見えた。



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