第3話 暗い雲と堕ちる頃に その②

第3話 暗い雲と堕ちる頃に その②

シカリウス「俺はまだ平然と誰かに能力を教えてもらえるような立場ではない…考察からだ…まずは事件の概要から考えよう…まず今回の事件の死体にはメリケンサックで殴られた跡があった。あれから予測するに犯人…つまりサックは拳を使う系統の固有魔法…そして死体の内部損傷が激しい。わかったぞ!拳で殴った物体の内部に衝撃を起こすもしくは蓄える固有魔法だな…ということは…まずい、ザイオンがまずい…!」

シカリウスもすぐに走って追いかけ始めた。その頃…

ザイオン「見つけたぞ…サックゥゥゥゥーーーーッ!!」3階への階段を登る途中のサックにザイオンが追いついた。

サック「この僕と戦うつもりか…お前が大切なこの学園は今日で廃校にしてやる…僕の固有魔法なら水風船を針で割るぐらいに簡単さ…さぁ…来い」

ザイオン「お前を殺すッ!」そういい自分に触れ叫んだ。

ザイオン「俺の能力を見せてやる…G線上のアリア…」その瞬間ザイオンが消えた。彼はサックの背後に居た。

ザイオン「オラアアァァーーッ!!」ザイオンが拳を振り下ろしたがその時、

「グッパオォォンッ!!!」突然ザイオンの下の地面からパンチが飛んでザイオンの顎にクリーンヒットした。

サック「これが僕の固有魔法だ…お前の能力は有名だから知ってるぜ…瞬間移動だろ?触れたものを…瞬間移動させる能力…だから俺はお前が背後にくると予測して後ろにパワーを溜め込んでおいた。これはお前のトラップだ、蜘蛛の巣に引っかかった虫は逃げられない…

さあトドメだァ!」サックが意識が朦朧としているザイオンにトドメを刺そうとしたその時だった。

シカリウス「蜘蛛の巣に引っかかった虫を逃がす方法…それに気付いた者だけが…本当の暗殺を出来る…もちろん俺は即答できる…

蜘蛛を殺して食われる前に無理やり抜け出してやるんだ。まずは蜘蛛を殺すことが大事だ…」そういった瞬間サックの腕、二本が落ちた。刃物で綺麗に切られた。風を切る音も肉を切る音も聞こえなかった。いや聞こえるはずがなかった。

シカリウス「これが本当の暗殺だ…証拠は出さない…ただ冷酷に静かに残酷にそして美しくだ…」

サック「…」サックは口を大きく開けて何かを叫んでいるようだが何も聞こえない。

ザイオン「これは…夢…か…?」意識が朦朧とする中、さっきまでのシカリウスとは別人のようなその美しい立ち姿と冷酷な目を彼は夢だと疑ったまま気絶した。

シカリウス「やはり…”口だけ”だったな…」そういい斧を取り出して倒れて動けなくなっているサックに一歩一歩静かに堂々と踏み寄った。

サック「…」さっきから何かを訴えているようだったがなにも聞こえないただ口だけが開いていた。

シカリウス「自分でもなぜ音が出ないか…疑問なんだろう…?教えてやるよ…俺の能力…オペラ座の怪人は…半径20m以内の全ての音を別の何処かに移しその場では絶対に音がならない空間を作り出せるんだ。

まあ…サックよ…お前にはどうせ聞こえてないがな…」

そういい斧で静かに無音でサックの首を切り落とした。

なんの音もせず戦闘は終わった。これがシカリウス流暗殺方法、確実な油断が出来る場面を作ってから確実に殺す。それが彼の暗殺手段であった。

ザイオン「シカリウス…すまない…俺が焦って勝手に死にかけちまった…お前の足手まといになっちまった…すまない…」ギリギリ保った意識でシカリウスに謝罪するが

シカリウス「あえて行かせた…お前が勝ったら勝ったで良かったしお前が負けたら相手は一瞬の油断が確実に出来るそれを俺が仕留める…お前の行動も全て計算の上だ…」

ザイオン「フ…なんてやつだ…そうだ…ところでなんであいつが犯人だってわかったんだ…?」

シカリウス「教えてやるよ…話すのはお前とロンドだけだぞ…

まずサック…あいつが死体発見現場に現れた時、右腕を頑固として出さまいとしてたな…あれは結果的にみると、返り血とメリケンサックを隠してたな…だが手を出さないだけじゃあ証拠にはならない…だからブラフをかけた…本当は校舎裏に裏から入れる扉などは一切ない正面玄関からじゃあないと絶対に校舎には入れない仕組みだ、それに行き止まりだった…それをロンドが伝えてきてくれた。そしてサックはさっき校舎裏に誰かが行ったと言っていたがあれは嘘だと確定するわけだ。つまりサックは嘘をついてるアリバイは人が逃げていったところをみた、つまり俺はなにもやっていない目撃者だぞっていうアリバイを作ったようだが…校舎の裏が行き止まりで誰も居なかったってことはアリバイは消えたわけだ…そしてそれを伝えられるほんの少し前に死体に右腕で触れた跡があったのとやつが右腕を隠しているのは関係があるとやつを疑ってた俺は右手を出さないことに対してしつこく言った。そして明らかに様子がおかしいと疑いが確信に近づいた時にロンドがさっき言った通りのことを言ってくれたお陰でやつのアリバイは消滅、俺は犯人だと確信して煽った。やつは煽りにのって殴りかかってきてしまったな…これで…今回の事件は解けたってわけだ…」

ザイオン「そうか…ただ今はありがとう…俺の大切なこの学園を守ってくれて…」泣きながら感謝され少し戸惑ったがすぐに突き放してサックの首をもって皆が集まってる運動場に出てきた。そして急に運動場にあったマイクをとって、

シカリウス「殺人犯は見つかった。そして俺が始末した。」そういい首を掲げた。何人かの生徒は思わず吐いてしまったり泣いてしまってる人がいたがほとんどの人は拍手をした。

シカリウスという名の新たな生徒に…いや、新たな最強の暗殺者にだ。

サックにより殺人事件が起き、それをシカリウスが解決した。この事件は学園内そして世間でとてつもない事件として語られた。

夜シカリウス達1年生が寮に戻り自分の部屋を一人一人が整理整頓して物を置いたり遊んだりしていた。その中一人、シカリウスはというと…

シカリウスの部屋の中では「バッハのG線上のアリア」が流れていた。

寮にある一つ一つの個人部屋には防音素材が使われているため周りにはとてつもない大音量だが全く響いていなかった。

シカリウス「さて…とりあえず第1話だ…」彼は趣味の小説の執筆を進めていた。過去に彼の小説は世界の有名な図書館にて出版され世界中で話題になり買うものが続出したが彼自身はその作者が自分自身であることをクラスや学校には隠すつもりだった。彼は何より目立って注目されサインを要求されたりするような陽キャ的注目を浴びたくないからであり暗殺者としてそれは避けたいことだ。だが小説なんて書かなければ良いのではないかと思われるがそれは彼自身小説が大好きで将来は文豪でありながら無敵の世界一の暗殺者になるのが夢だからだ。

その時ドアがノックされた。彼は音楽を止めてドアを開けた。するとそこには一通の手紙のようなものが、彼はラブレターだと思い恋愛という陽キャ的な行為を極限まで嫌う彼は肉が削げ落ちそうなほど小刻みに震えとてつもなく殺意に満ちた表情で恐る恐る中の手紙を見た。内容はこうだった。

正体不明の人物より…

君が新しくきた1年生のシカリウス・テネブラールム君だね!

長ったらしく語るのも面倒くさいから言いたいことだけ言おうと思うよ

君を殺す。これは殺害予告だ。君を幻の日6月66日に殺す。

そう宣言しよう、私は知っているんだ君は暗殺者だね。そしてサックは私が送り込んだ刺客でもあるんだ。つまりどういうことか、君の能力を私は調べているんだ。君お得意の、暗殺で殺すためにね。私は神を復活させるもの匿名G…ところで…君がさっき聞いていたのは…

バッハのG線上のアリアだね…?私にはいつでも君を殺す力がある。

だがあえて殺さない、君に私の正体を探ってほしいんだ…それが神の復活を招く、さあ…私を追え…シカリウス・テネブラールムよ…

そう書いてあった。普通ならこんな手紙、恐怖で腰が抜けるところだがシカリウスは全く怖くなどなく、むしろ興奮のあまり普段あまりしない笑顔を見せた。それも単なる笑顔ではない。邪悪で今にも人を殺してしまいそうな目をしていた。彼はこの手紙を受け入れ早速暗殺計画を考え始めた。

シカリウス「まず相手にこちらの作戦を悟られてはならない…やつはさっきから俺を監視できている…つまり作戦を立ててそれを声に出したりどこかにメモしたりすれば確実にバレて上を行かれる…そして誰にも相談できない…一人で暗殺するしかないようだな…さて…とりあえず…出てきたらどうだ…?」誰も居ない部屋の中で誰かを呼ぶ、すると、

???「まさか…これでもバレるとはなァ!」どこからか急に人が現れた。身長は180cmほどで、黒いマントを羽織り顔も謎のマスクで隠され声もそのマスクのせいか加工音声になっていた。

シカリウス「現れたな…」シカリウスは問答無用で殴りかかったがその瞬間───ッ!!

シカリウス「拳が…すり抜けた…ッ!?」なんとやつの体は幽霊のようにすり抜け物理攻撃が通らないと理解したのも束の間、やつの手がシカリウスに向かった。その手は明らかに頭を狙っていた。

シカリウス「なるほどね…詮索しようとしてるから始末すると…」

そういうと近くにあったコンセントを咄嗟に拾い、シカリウスは自分に突き刺し、

シカリウス「感電する感覚は気持ちいいよな…それじゃあ一緒に感電しようぜ…」コンセントからシカリウスの体をつたりすり抜けた状態で一体化していた敵にも電気が伝わった。

???「ぎゃあああああァァァーーッ!!!」

シカリウス「やはり…効いたな…暗殺にはちょうどいい場所だ…防音室…」背中のコンセントを抜き感電は止まった。しかし敵は電気でよろめいていた、その一瞬、敵の霊体化が解けた。もちろんシカリウスは逃すわけがない。

シカリウス「オペラ座の怪人…」その瞬間シカリウスの背後に不気味な仮面を被った黒い人影が現れ、敵にパンチを大量に喰らわせた。

???「ぐはァ!?」

「ドンッ」敵は壁にうちつけられたがなんとか立ち上がった。

シカリウス「こっからが本番だ」シカリウスが突然オペラ座の怪人についた不気味な仮面を取り、自分につけた。

シカリウス「かかってこい…即刻処刑してやる…ッ!」

???「接近戦か…いいだろう…殺害予告はなしだ、ここで始末してやるッ!」相手は左手に魔法の杖、右腕には西洋的な剣を取り出した。この世界において魔法の杖は魔法効果を強める強力なものなのでおそらくこの1年寮を巻き込んで戦うつもりなのだろう。



Name──ザイオン・レイニー

Age──16

Ability──『G線上のアリア』…触れたものを瞬間移動させる。自分自身を瞬間移動させることも可能


Name──サック

Age──17

Ability──韻波句徒…パンチなどで生じた衝撃をそこに蓄え好きなタイミングで衝撃波として炸裂させることが出来る

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