第2話 暗い雲と堕ちる頃に その①

第2話 暗い雲と堕ちる頃に

シカリウス「う…」彼は昼寝から起きた。ちょうど時間的には他の生徒が試験を終わらせ先生たちが採点している途中だった。

彼はあまりに暇だったので学園内を探索し始めた。

シカリウス「さて…まずはこの廊下か…」廊下の窓からは外が見えた。

外には大量の受験生が合格発表の最中で各々喜んで飛び跳ねていたり暗い顔で絶望している人もいた。そして奥のほうで口論している二人の人も見えたがシカリウスは彼らに微塵の興味はないので無視して階段を上がった。二階への階段を上がってすぐ2年生の寮があった。そして廊下からは美しい太陽と太陽の光で色褪せたように見える海が目に映った。

シカリウス「誰かの死体が吊るされてたら最高の絶景だったのにな…」

そうつぶやき廊下を歩き出した。その途中にはいろんな部屋があった。

図書館…科学室…魔法訓練場…様々な部屋があり多くの生徒とすれ違った。

シカリウス「科学室に硫酸があるといいな…それじゃあ次の───」

「ゴオオォォン…」鐘の暗い音が校舎中に鳴り響いた。すると

緊急放送「緊急放送です。全生徒、運動場へ集合してください。

2,3年生は1年生を並ばせてから番号順で整列してください…これは訓練ではありません。くりかえします…」

周りの生徒がざわついたシカリウスはなぜ緊急放送でこんなに混乱が起こっているのか近くの先輩に聞いた。

シカリウス「あの…これは一体?」

先輩「あぁ…さっきのリーブラを倒したっていう1年か…1年だから知らなくて当然だ、緊急放送ってのは学園内で何らかの事件が起きた時にしか出ないんだ…まさか受験の日にこれが起こるとは…とりあえず急ぐぞ!あぁ〜…名前は…!?」

シカリウス「シカリウス・テネブラールム…」

先輩「シカリウスか…!よし行くぞ!」

先輩に案内され運動場に集まった。全ての生徒が集まり並び終えた。

全生徒がざわついて混乱状態にあったが先輩らの丁寧な対応でしっかりと整列した。

シカリウスの後ろに並んでいた人が話しかけてきた。

ザイオン「あんたがシカリウス・テネブラールムかい?

俺はザイオン・レイニーこれからよろしくな!」

シカリウス「そうか…よろしく…」

すると校長が全校生徒の前で喋り始めた。

ブルース「えぇ…今日なぜ緊急放送があったのか…結論から…

受験生の一人が何者かに暗殺されました。そこで…生徒の誰かに調査を依頼したいと思います。」

生徒たちがさらにざわめき始めた。こんなことは前代未聞であり先輩たちも体験したことのないことであった。

シカリウス「暗殺か…」そういうと急にシカリウスの雰囲気が変わる。

ザイオン「シカリウス…どうしたんだ…?」

シカリウス「校長先生…その調査、

このシカリウスにやらせてください…凄く怒りが湧いてくるんです…

だって…暗殺して暗殺したことがすぐバレるような暗殺…甘すぎる、あまりにも手法が適当だ…この場に御本人がいるならよぉ〜く聞いとけ…

その程度の暗殺じゃあな…ただの殺しなんだよ…暗殺ってのはバレないようにするものだ…その程度のやり方で…暗殺できたってイキがるんじゃあねぞ…俺がキチッと教えてやるよ…真の暗殺をな…

校長先生…殺しの許可を…」

ブルース「いいだろう…シカリウス・テネブラールム…だが君の後ろの彼も同行させなさい…」

シカリウス「私一人で出来ます…むしろ彼は足手まといの可能性も…」

ザイオン「シカリウス…これは俺も協力したい…頼む…協力させてくれ…」そういうとザイオンが拳を強く握りしめ怒り気味な声色で言い出した。

ザイオン「この学校は実は俺のご先祖様が作った物なんだ…だが!今ッ!先祖様の聖域を踏み荒らされようとしている…それが許せないんだ…だから俺にも協力させてくれ…」

シカリウス「わかった着いてこい。だが足手まといになるなよ…」

そういうとシカリウスが死体発見現場に歩き出し、その後にザイオンが続いていった。

シカリウス「ここは…」殺人現場はさっき外を見た時に誰かが口論している場所だった。そして死体があった。確かにさっき口論していた二人組の一人だった。そしてその死体には大きな何個かのトゲがついたような何かで叩かれたような跡があった。それは限定的な場所にあった。しっかりと人間の急所を狙っていた。鋭い拳の跡のようだった。

だがシカリウス自身はあまり見ていなかった為、正直口論していた片方の人なのか少し曖昧だった。

シカリウス「発見者を呼んでくれないか…?」

シカリウスが待っている時ザイオンが急に話し出す。

ザイオン「なぁ…シカリウス…これってどう思う?」そういい、死体の胸の部分を指さした。そこには血が固まる前に誰かが胸を触り生死を確認した指紋のような物があった。そしてさらによく見てみると明らかに手形があった。つまり相手はちゃんと生死確認をしていたということだ。

シカリウス「そしてこの勢いよく触れてすぐに生死確認を終えさらには焦ってすぐに手を離しているように見える…おそらく…犯人はこれから来る発見者が近づいてきたことを悟り、すぐに生死確認をして逃げたというわけだそして裏口か何かから学園内に回り込んだ後死体が発見され…緊急放送で普通の生徒のように来た…つまり今回の犯人像は絞られた…ッ!まず受験生ではない…受験生は被害者の彼以外は皆、結果発表を見ていた…そしてこの死体に空いた特殊な穴…これはメリケンサックで殴った跡だ…見たことがある…そしてこのメリケンサックのサイズから逆算して加害者側の腕は大きい…身長は最低でも180もしくは2mもあるだろう…」そう考えてる内に発見者がやってきた。なかなかの体の大きさだが気弱そうな顔で彼は右手だけをポケットに突っ込んだまま来た。

シカリウス「あぁ〜…お前が発見者か?名前はなんだ?」

サック「あ…僕です…僕が発見しました、名前はサックと申します…」

シカリウス「まず…死体発見時は血がここまで固まってなかったかな?」

サック「そうですね…ここまで血は固まっておらずかなり出ていましたね…今思い出しただけでも…恐ろしいです…」

シカリウス「なるほど…では死体発見時に校舎の裏側に続くあの道の先に誰かいたとかありますか?」

サック「確か…そうですね…人がいましたね…後ろ姿で誰かはわかりませんが…」

シカリウス「なるほど…ありがとうございます…ロンド…」カラスのロンドが空中から降りてきた。するとサックに対して威嚇し始めた。

シカリウス「ロンド…やめろ、彼は目撃者だ…お前は校舎の裏と校舎内全体の見回りを頼む…」

ロンド「カアアァァァァーーッ!!!」再び飛び立ち校舎の裏側を見に行った。

シカリウス「すいませんね…うちのロンドが…

ってどうしたんですか…!?」するとサックが怯えながら

サック「いえ…な、なんでも…?」明らかに何かを隠している様子だった。

シカリウス「そういえばさっきからなぜ右手をポケットに?寒いなら両方入れればいいのでは?それか寒いけど手を封じられたくないから入れてないとかですかね?」

サック「ああ…はい、そうですね…」そう言って校舎の裏側の方を見渡した。

シカリウス「今ここにコートがあるんで貸しますよ?」

サック「ああ…大丈夫です…寒いですけど僕は大丈夫なんで…」

シカリウス「いやいや〜寒いならご遠慮せずに…」そういい強引気味にコートを渡した。すると何故か彼は右手をポケットに入れたまま着ようとしていた。

シカリウス「右腕を出さないと着にくいでしょう?出したらどうです?       すぐに切ればまた暖かくなりますよ?」

サック「あぁ…そうですね…」とは言うものの一向に右腕を使って着ようとせず着るのに苦戦していた。

シカリウス「右腕…出さないん───」

ロンド「カアアァァァーーーッ!!!」ロンドが急に降り立ちシカリウスに吠えだした。これは…警告の合図だった。

シカリウス「なるほど…今…犯人がわかった…ッ!犯人は…

サックさん…貴方だ…ッ!」

サック「僕ゥ!!??なんでですかァ!?」サックは怒り気味に叫んだ

シカリウス「なぜかって…?自分が殺したんだから自分に聞けばいいんじゃあないですか…?」

サック「僕なわけあるかァッ!」そういった瞬間彼が殴りかかってきた。ポケットから出した右腕には…血で赤く滲んだメリケンサックが握られていた。

サック「お前もッ!くたばりやがれェッ!」

シカリウス「出したな…ボロを…」サックを鋭い眼光で睨みつけた。

サック「僕の固有魔法でェ!始末してやるゥゥーー!」

シカリウス「やるしかないようだな…」

ザイオン「まさか…シカリウスの固有魔法が出るのか…ッ!?」

シカリウス「オペラ座の怪人…」その瞬間、シカリウスが消える。彼は音よりも速いのか?そう思わせるほど音もなく圧倒的な速さでしゃがみこみサックの攻撃を避けた。そして服に仕込んでいた爆弾と短剣を取り出し、爆弾に点火しすぐに短剣でサックの腹を刺した。そして腹の中に点火した爆弾を押し込み、ザイオンに向かって走りロンドと一緒にザイオンをタックルして爆発の射程外に脱出した。そして爆弾が爆発したが…

「ド………」

なんの音もしなかった。爆発音は聞こえずサックの体内がズタボロになっていた。

サック「うわあぁ゙ぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙゙ーーッ!?こんなぁ゙ッ!?」彼はとてつもない痛みに襲われながら必死に校舎の方へ逃げていった。

ザイオン「シカリウス!追うぞッ!」しかしシカリウスの手がザイオンが追跡するのを止めた。

ザイオン「シカリウス…ッ!?どういうことだッ!逃げられるぞ!」

シカリウス「暗殺は確実に…静かに…そして悟られずにだ…いいな?」

ザイオン「わからない…言ってる意味がわからない…俺のご先祖様の聖域であるこの学園が危ないんだぞッ!止めないでくれ!」

シカリウス「まあ落ち着け…まずやつの能力を探れ…お前…陽キャだろ。入学式とかで前のやつに平然と自己紹介するその危機感のなさは明らかに陽キャだ。てめーが守りたい物を守るために言ってるんだ。まずはやつの能力を探れ。」

ザイオン「今追えば絶対に追いつけるんだッ!もういい!お前なんか無視して俺は行ってやる!」そういいザイオンは走って追いかけ始めた。



Name──サック

Age──17

Ability──韻波句徒…???


Name──シカリウス・テネブラールム

Age──17

Ability──『オペラ座の怪人』…???

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