第五話

今回は本を読んでるのを描きたいらしい。僕は窓際の机に座り本を開いた。「これって動いたらダメなの?本読んでていい?」奏多は鉛筆やら絵具やら出しながら頷いた。良かった。この本明日までに終らせたかったんだよな。優等生?キャラを保つため本を借り始めたが実際読んでみると、意外と楽しめた。惇のふりをするのはいつも気を抜けないと言うことだ。この時間が唯一『僕』で居られる時間だ。僕はパラパラページをめくり、奏多はサラサラ鉛筆を動かす。この時間が好きだ。誰も見てない。誰も期待してない。惇の面影がない時間。でも、時間はいつか終わる。キーンコーンカーンコーン。学校のチャイムが鳴った。「やっべ!惇行くぞ!」奏多はハッとして慌てて僕の腕を掴んだ。「わっ!そんな急がなくても間に合うよ?」奏多は走りから早歩きにかわり、「あー、俺、課題、やり忘れたんだよなぁ。」と目をそらした。「えぇ!今度はやるって言ったじゃん!」奏多は謝りながら宿題を見せてくれと頼んできた。僕は呆れながらも、次はてつだはないからやること、と約束させオーケーをした。「まことぉ!おまえマジでいいやつだな!マジでありがと!!」僕は呆れ笑いをしながら「あーハイハイ。今回で最後!」と、返した。「さ!理科室へ急げ-!」奏多と僕は笑いながら授業に向かった。

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