第四話

「おー。惇、ここにいたのか。」奏多が二人分の弁当を持ちながら隣に腰かけた。「うん、テスト終わったの?どうだった?」僕が聞くと奏多は苦笑いして「まぁまぁ。赤点回避はできた。」そう言い、弁当を膝に広げた。「とりあえず食おうぜ!」いただきますを言って僕も食べ始めた。

「次の教科って理科だよね?」食べ物を飲み込んでから奏多は「ああ。そうだな。」とまた口に食べ物を運んだ。「理科楽しみ!」「惇、は、全教科、楽しみだろ。」奏多はモグモグ食べながら、鼻で笑って返してきた。「だって全部好きなんだもん!」奏多はただ笑って食べ続けるだけだった。「おし、行くぞ。」ペロリと唇を舐め奏多は立った。「えぇ!もう食べたの?早いよ!」僕は奏多に腕を捕まれ仕方なくご飯をしまった。「まぁた美術室?」奏多はにかっと「もうわかってること聞くなよ。」と、笑う。奏多は美術部に属してる美術マニアだ。最近は僕を描くのが最高に楽しいらしい。なんでかって聞くと『おまえ、無駄に顔が可愛いんだよ。』と言われた。褒め言葉というよりはからかわれてるから正直腹が立つ。でも、彼の完成した絵を見るのは純粋にワクワクするからモデルになってる。「そーだなぁ。この作品が終わったら女装でもさせようかなぁ。」ニヤリと笑う奏多に寒気が走り「いくらなんでもそれはやだよ!」と顔をしかめた。奏多は必死に笑いをこらえながら美術室の扉を開けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る