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蒼に、溶ける

蒼に、溶ける

鋏池穏美

おすすめレビュー

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★★★
★31
11人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 黒澤 主計
    2175件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    ただ、美しい絵を描きたかっただけなのに

     不条理。その果ての更なる不条理。
     絶望感の先にある「破滅以上の破滅」みたいなものがあって、逆にそれが「美」にすら感じられました。

     主人公は画家の女性。その絵はこれまで評価されていたはずだったのに、「父」のせいで全てが台無しに。
     父が新興宗教の教祖として、多くの人間を虐殺する事件が起こる。

     それに伴い、彼女がこれまで描いてきた絵の数々も、そんな事件を象徴したものだったかのように解釈される。
     彼女だって父親の被害者だった。だが、世の中の誰も「真実」なんかには興味を持とうとしない。

     歪められ、貶められ、そして迫害される。そんな重圧の中で彼女が見たものは……。

     破滅もあまりにも酷くなると、その深すぎる絶望感が「解放」や「救い」に思えることがあるのかもしれない。
     そういう現実の「深淵」を描き出したような、とても鮮烈な物語です。

    • 2026年1月7日 10:28