歴史オタクの俺、異世界で「エセ軍師」になる。~現代知識とハッタリだけで英雄扱いされているんだが、いつバレるか気が気じゃない~
第7話 【宣戦布告】商業ギルド「ポテチの売上の7割よこせ」→俺「わかった。じゃあ貴様らを経済的に抹殺する」
第7話 【宣戦布告】商業ギルド「ポテチの売上の7割よこせ」→俺「わかった。じゃあ貴様らを経済的に抹殺する」
ポテチブームから数日後。
王都は『悪魔のチップス』の虜(とりこ)になっていた。
子供のおやつ、労働者の塩分補給、酒場のつまみ。国中が「カリッ、ポリッ」という音に支配されていた。
だが、光があれば影がある。
執務室でウハウハと売上の計算をしていた俺の元に、ガルド将軍が血相を変えて飛び込んできた。
「ぐ、軍師殿! 一大事だ!」
「どうした? またジャガイモの皮むき要員が足りなくなったか?」
「違う! ……市場から、『塩』と『油』が消えたんだ!」
「は?」
俺は計算の手を止めた。
塩と油。ポテチ製造の生命線だ。それが消えた?
「在庫切れか?」
「いいえ。……『商業ギルド』による、販売停止命令です」
ガルド将軍が、一枚の羊皮紙を俺の机に叩きつけた。
そこには、商業ギルドの紋章と共に、慇懃無礼(いんぎんぶれい)な文字が並んでいた。
『通達。近頃の芋菓子について、健康被害の懸念あり。調査完了までの間、塩・油の卸しを全面禁止とする――商業ギルド長・ゴルドン』(要約)
「健康被害? 笑わせるな」
俺は鼻で笑った。
要するに、「俺たちを通さずに儲けているのが気に食わない」という言いがかりだ。
ポテチが売れた分、彼らの息がかかった高いパンや焼き菓子の売上が落ちているのだろう。
「さらに、ゴルドン氏はこうも言っています。『もし販売を再開したければ、売上の七割を上納金として支払え』と」
「七割だと? ……ヤクザかよ」
俺の中で、プツンと何かが切れる音がした。
七割? 税金ですらそんなに取らないぞ?
この国の経済を牛耳る商業ギルド。塩の輸入ルートを独占し、価格を釣り上げ、民を苦しめてきた元凶。
それが今、俺の「快適なスナック生活」と「活動資金」を奪おうとしている。
「カズヤ様……どうしましょう」
セシリア姫が不安げに俺の袖を掴む。
「ゴルドンには誰も逆らえません。塩がなければ、料理も……ポテチも作れません」
塩がないポテチなど、ただの油っぽい芋だ。そんなものは餌だ。
俺は羊皮紙をぐしゃりと握りつぶし、ゴミ箱へダンクシュートした。
「姫様。俺は、喧嘩を売られたら買う主義なんです」
「えっ? まさか、武力で制圧を?」
「いいえ。商人が相手なら、商売(ビジネス)で叩き潰すのが流儀です」
俺は立ち上がり、壁に貼られた王国の地図を指差した。
「奴らが強気なのは、『塩は輸入するしかない』と思い込んでいるからです。海のないこの国では、塩は金と同等の価値がある」
「はい。ですから、言い値で買うしかなくて……」
「ですが、もし『国内』で、しかも『タダ同然』で最高級の塩が手に入るとしたら?」
「え?」
姫と将軍がキョトンとする。
俺はニヤリと笑った。
城の図書室で読み漁った古い地誌。そこには、現地人が「価値がない」と見向きもしない「ある場所」の記述があった。
現代知識を持つ俺には、そこが宝の山に見えていたのだ。
「ピクニックに行きましょう、姫様。スコップとつるはしを持って」
「ピクニック……ですか?」
「ええ。ギルドの独占市場を破壊する、素敵な『価格破壊』の旅ですよ」
こうして俺は、強欲なギルド長ゴルドンへの「倍返し」を開始した。
まずは塩だ。奴らの最大の武器である「塩の独占」を、根底からひっくり返してやる。
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