第9話

胸の奥がずっと痛かった。


彼の言葉が痛いというより、


嘘で固めた自分の心の方が


じわじわと締めつけてくる感じがした。



私は息を吸って、


テーブルの木目を見つめたまま言った。


「……ほんとのことって、何が?」


自分でもわかるほど弱くて、


逃げるような声だった。



彼は少し肩を落として、


それでも真っすぐに私を見た。



「……なんか最近、距離感じるんよ。」


胸がぎゅっとした。


「プライベートで会うのも減ったやろ。

会っても……ホテルばっかりで。

俺、文句言いたいんちゃうねん。

でも、付き合ってるって

ほんまに思ってくれてるんか

わからへんくなる時があんねん。」


その言葉が刺さった。


だって一番言われたくないところを


確実に突かれたから。

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