第5話

彼氏のことを考えるほど、


罪を誤魔化すみたいに、


私は新しい彼氏(客)に執着するようになった。


それまで私は彼に全くお金を使わせていなかった。


むしろ使わせないようにしていた。


なのに、いつの間にか口にしていた。


「今日ヒマなら来てよ。

だって彼氏でしょ?」


店で、当然のようにそう言っていた。


セットもボトルもシャンパンも、


どんどん入れてもらうようになった。


呼べば来てくれた。


言えば使ってくれた。


求めれば応えてくれた。


私はその「全部」に依存していった。


罪悪感のぶんだけ、


彼の愛情で自分を埋めていくみたいに。


だけど——。


ある夜、いつもみたいに甘えて席に着いた時、

彼は珍しく笑わなかった。


グラスを指で軽く叩きながら、

ぼそっと言った。


「なぁ……俺ってほんまに彼氏なん?」

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