第3話 がんばらない練習

2023年6月に本屋を始めました。屋号は圏外書房と言います。既存のお店(カフェ&バー)の定休日を間借りさせてもらい、週末だけ営業しています。在庫は1000冊程度(新刊1割・古本9割)の小さな本屋です。バー・カウンターがあるため、飲み物の提供も行っています。初めていらっしゃたお客様からは、「ここはブックカフェですか?」と聞かれます。私は「いいえ。本屋です」と答えます。


本が1冊も売れない日も、コーヒー1杯淹れない日も、ビール1本出ない日も珍しくありません。時より、「趣味でお店をやられているのですか?」とお客様に聞かれると、「週3日アルバイトをして、本屋をやってます」と答えます。


私は本屋でいたいだけの、本屋を名乗りたいがために、本屋に居ることをのぞむ者です。コーヒーもビールも強い思いを持って売りたい気持ちはありません。ましてや本すらも売ってやるぞ!とは思えないのです。ただ、私はここで本を読んでいれれば満足です。ここは、2年の間、私のための居場所でした。


その間(開店から2年の間)私の立つバーカウンターの背中には、山崎ウイスキーと並んで、phaさんの『がんばらない練習』をかざっていました。


私はがんばらない練習にいそしんで、ここに居ました。

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