終末の青

世界はとっくに終わっていた

君はその終わった世界に産まれた


正確には、終わったのは世界ではなく人類だ

コンクリートの建物はツタに覆われ

戦車は鉄くずになった


わたしは人類最後の生き残りで

君は今までの人間とは違う、全く新しい生き物


強い体に、賢い頭

強さとは美しさと言うように、君は綺麗だった


終わった世界にも電力は生きていた

だからわたしは、君に助けられながら

生きることが出来た


ある日、この電力がどこから来ているのか気になった

わたしと同じように、人類がまだ生きているかもと思ったからだ

君は反対したけど、結局ついて来てくれた


わたし達は電線を辿った

君が魚を取り、わたしは星を眺めた

青と緑に覆われた世界は、美しかった


電線の先には、大きな工場があった

わたし達は柵を乗り越え、その工場の中へ入った

工場の中にはいろいろな機械があった

言葉を喋らない機械が、施設を管理していた


わたし達は、古い文字の書かれた部屋へ入った

その部屋の中にはプールがあった

青く光り輝くプールがあった

空の青よりも、海の青よりも美しかった


わたし達はそのプールで泳いだ

水をかけあい、競争して遊んだ


わたしは死に、君は生きた


そして世界から人類が消えた

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