第5話



 外の廊下に寄り掛かって、小さく笑んで会話を聞いていたラムセスはひょこ、と部屋の中から顔を出した赤蝙蝠に気付いた。


「そうなんだよ。俺もそう思うんだ。

魔眼まがんの王子】に殺されかけて、もう駄目かと思っただろ。

 でも不思議なんだ。

 なんかあいつに大魔法ぶちかまされてから、メリク少し強くなった気がするんだよ。

 生きる意志のようなものが、なんだか新しく湧き上がって来ているような。

 不思議な奴だよな。

 愛する人間に気持ちを伝えられないくらいで死を望むかと思えば、

 愛する人間に殺されかけて、消滅するどころか、魂の色が少し鮮やかになった感じだ。

 あいつはもしかしたら、とんでもなく強い奴かもしれん」


 キュウキュウとまるで同意するように鳴いている。


「眼も治るかもしれないぞ。

 翡翠色だと言ってた。

 どんな色だろうなぁ。

 きっと美しい色だぞ。楽しみだな」


 ラムセスが笑うと、瞬く精霊を感じたのか、赤蝙蝠も目を輝かせた。



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