第2話
「さてさて、どのようにスキルを振るかを考える前にまずはマップを確認しようか、もし孤島とかに閉じ込められてるならガーディアンを外に送り出す段階から考え直さなきゃいけないかもしれないし……」
そんなことはないと思いつつも万が一のことを考えてまずはマップを確認してみる、メニュー画面のマップに触れると、画面が切り替わり私のダンジョンが出来た場所の周辺のマップを映してくれたのだが……
「嘘だろう……もしかして嫌がらせされているんだろうか、いやでもまだこの周辺国が好戦的な国とは限らないし……」
私はマップに表示された自分のダンジョンを見て愕然としてしまう、東には武力国家パルワと書かれるアイコンが存在しており、西に目を向けると今度は宗教国家リーリアンと書かれたアイコンが、南に目を向ければ商業国家アキドというアイコンが存在し、その三国家を結ぶ街道のちょうど真ん中というか、3つの国からの道が結ばれたところに私のダンジョンは存在していた。
「嘘でしょう…?これ1か月後にどう考えても3国から領土問題で攻撃されるやつじゃん……やっぱりこれって嫌がらせなのでは?いやでも上手くやれば冒険者を沢山誘い込めてポイント上手い奴だけど、うーん……」
上手く立ち回れるだろうか?とあごの下を指で撫でていると、すぐお隣の森に小さなアイコンがあることに気づく。
おや?と思いアイコンの部分をなぞってみるとそこにはエルフと書かれており、人口は50人と書かれていた。
ちなみに周辺三国については1万以上と書かれており詳しい数字は出てこないこれは私のダンジョンレベルが低いからなのか、それともそこまで詳しく教えてくれないのか、とにもかくにも、ダンジョンからすぐ近い森にエルフという少数民族が住んでいるらしい。
「これは…チャンスか?」
50人であればまとめてダンジョンに移住させても問題は少ないだろう、私が今いるダンジョンマスターの部屋のある階層とは別に、広い草原が広がったエリアが既に存在しており、そこには少ないが果実が存在しているようだ。
そこにエルフを移住させれば毎日50人分のポイントが手に入る、どれほどのポイントが入るのかは判らないが、50人もいれば少なくはないだろう。
「どう考えても3国に挟まれて少数で生き残ってるエルフというのは真っ当な状況じゃないだろう…と私のサブカル知識が言っている、ならば現状私がすることと作るべきガーディアンの形は漠然とだが理解が出来た。
「姿形はファンタジーのエルフっぽくして、戦闘能力を優先して武器スキルを2つ取ろう。あとは相性がよさそうな風魔法を取得させよう。エルフという種族が私の知るエルフと全く違う生き物だったら上手くいかないだろうけど、現状何も出来ない以上は多少博打を打ってでも動きたいな」
というわけでこれからの方針が決まったところでガーディアンの作成である、オンラインゲームのキャラクリエイト画面のようなものが表示されて、私はうっ、と一瞬喉が詰まるが、どうやらバーを動かして細かく調整しなくてもこちらのイメージしたものを読み取り、イメージに近いキャラクターを作り出してくれるようだ、助かった。
私はオンラインゲームのキャラクリが苦手なのだ、最終的に適当にランダムから選んだり、デフォのままにしたりすることも少なくない程度には苦手なのだ……
「うん、いい感じのTHEエルフという感じのエルフが出来た、後はスキルの取得画面か」
私は武器カテゴリーから剣と弓を、魔法カテゴリーから風魔法を、それぞれAランクで振り分ける、剣と弓で200ポイント、風魔法は100+200で300ポイントで合計500ポイントきっちりお釣り無しである。
「あとは最後に名前を付けたら設定おしまいか…名前…名前かぁ…苦手なんだよなぁ」
キャラクターを作るときに見た目と名前を選ぶのが苦手である、つまりキャラクターを作るのが苦手ということなのだが、ゲームならあ。とか適当につけてもいいのだが、これから一緒に生活する意志ある存在にそんな雑な名前を付けるわけにはいかない、というわけで……
「初めてのガーディアン、ファーストガーディアンということで、ファズなんていいんじゃないかな、うん、やっぱり名前は3文字か4文字くらいが呼びやすいし覚えやすいからね、うんうん、悪くない口に出してみてもおかしくは感じないな、よし!君の名前はファズだ!」
私はファズと名前を決めてキャラクターの設定を終了する。
そうすると私の前に私と同じくらいの身長ですらりとした中性的な美形が現れ、私の前に跪く。
「ダンジョンマスター様、初めてお目にかかります。この命マスターの為どのようにでもお使いください」
そう言って私の前で跪いたままのガーディアン、私はそんな彼を見て素直にこう思った。
「重いんだが?!感情が重すぎるんだが?!これから仲良く一緒に過ごしていく相手が私に対してすっごい思い感情持っていて対処に困るんだが…!」
だった、いや召喚早々に跪かれて命をどうこう言われたらそういう風にもなるだろう、しかも目の前の彼(性別を設定していないので彼と呼ぶ)とはこの先私がダンジョンマスターとして活動する中で共にこのダンジョン内で暮らすことになるのだ、そんな相手がまるでいい方は悪いが変に熱心な宗教家として私を崇めているような状況とか一緒に暮らすうえで嫌すぎる……
「もう少しこう、ラフな感じには出来ない?これから一緒に生活する上でずっとそんな風に崇めるような態度を取られるとちょっとこう、一緒に居ていたたまれないというかなんというか、私は確かに君を生み出した存在だけど、私自身がすごいわけじゃなくてすごい能力を貰っているだけの立場だから、それに何よりも同居人にそんな態度を取られたら生き辛くて仕方がないよ」
私がそう言ってファズの手を取り立ち上がらせると、ファズは嬉しそうに笑ってから、大きく頷き。
「わかりました、それでは少しだけお言葉に甘えて砕けた言葉遣いと態度を取らせていただきますね、マスター」
そう言って微笑むファズ。私は胸をなでおろしファズに改めて話しかける。
「ファズ、さっそくだけどダンジョンの外に出てエルフの住んでいる森へと向かってほしい、できれば50人程度いると思われるエルフを全てダンジョンに移住させたいが、相手がもし敵対的な態度を取り攻撃的な姿勢を見せたのなら無理せずに撤退して構わない、あくまでも彼等の感情を優先して、彼等が移住してもいいと思ったならここまで連れてきてほしい」
私がそうお願いするとファズは、深く頷きこちらを見ながら口を開く。
「了解いたしました、恐らくエルフはこちらへの移住を希望するかと思います、Aランク風魔法をマスターが私に覚えさせてくれたおかげで私は風の精霊と交信することが出来るようになり、エルフの現状を確認したところ、普人族こちらの世界における人間によってエルフは狩られており、今エルフの森に残っているエルフが最後の生き残りのエルフの様です、彼等も自分たちの現状を理解し、このままでは滅びることが理解できているでしょうから、マスターからの移住要請に喜んで従うかと思われます。」
ファズはそう言いエルフの現状を伝えてくれる、まさか最後の生き残りのエルフだとは思ってなかったが、それなら余計に保護しなくてはいけない、そう思いながらファズに、ダンジョン外に向かいエルフを保護するように改めて指令を出し、ファズをダンジョンから送り出すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます