第1話
僕は小学生の頃、交通事故に遭い生死の境を彷徨っていた。
(色んなことがしたかった。あの漫画の続きどうなるんだろう。)
すると頭の中に響く声。
「君は人生において、過ちを犯した。故に、これから君にはこれ以上ない天罰を与える。
君にはもう一度人生をやり直してもらう。」
なんだ。罰って言ったって大したことないじゃん。
なんて思っていたら、目の前には門が現れた。
「そこに入って君はどんな人生を歩むのか、楽しみである。」
門を開くとそこは部屋になっていた。
なんか寂しげだな…そう思ってると、先ほどの門はもう既に消えてなくなっていた。
ふと鏡を見た。自分、カッコいいじゃん。
部屋を物色していると、カバンを発見した。
「おおた…なんて読むんだこれ?」
自分の見たことがない漢字を見て、さらに部屋を物色した。
どうやら、「おおたしゅうと」と読むようだ。
そして、部屋でしばらくいろいろなものに触れていると、
「柊斗ー、ご飯よー。」
返事をして1階に駆け込んだ。
目の前には顔立ちが整っていて綺麗な女性がいた。
目の前にはズラッと美味しそうな料理が並んでいる。
いろいろなものを頬張っていると、
「あら?変ね。柊斗、そんなにお肉好きだったかしら?」
どうやら柊斗くんは、肉が好きではなかったらしい。
「いや、今日給食で出てから美味しかったから、」
苦し紛れの言い訳をするが、なんとかその場をやり過ごした。
先ほどの会話で、自分は中学3年生であること。普段は物静かであるが、スポーツが苦手というわけではなく野球部に入っていたらしい。
あと、もう既に高校は決まっているようだった。
そう。自分はもうすぐ高校生なのである。
どうしよう。僕、小学校すら卒業してないのに。
神様?が言ってた罰ってこれのことかよ…とか思っていたら、ポケットにカードが入っていることに気がついた。
『安心せよ。其方には中学校までの学習能力がきっちり備わっている。高校にそのまま入っても問題はない。』
どうやら頭が良かったようだ。安心した。だが、それと同時にこれから起こることへの警戒心から部屋にある学習道具で勉強した。
一ヶ月後。僕は高校生になった。県内では名の知れた進学校のようだ。
同じ中学の人と書いたらどうしよう、なんて思っていたらいつの間にかホームルームが始まっていた。
担任の先生の自己紹介の後に続いて生徒の自己紹介のフェーズに入った。
自分の言うことなんて考えてもいなかったので、
「お、太田です。中学では野球部でした。よ、よろしく。」
なんて言ったと思う。今思えば、趣味とか言えば良かったと思う。あと、柊斗くんはどうやら視力が良くないようで、普段はコンタクトをつけているようだ。
初めてのホームルームも終わった。これからは部活を決めたり、自分の志望校とか考えないといけないのだろうか。なんてボーッと思っているうちに、
「あの…」
女の子から声をかけられた。
「あ、えーっと確か…宮崎さんだっけ。」
「そうですそうです。あの、私野球部に入りたくて…」
「野球部でプレーするの?」
今思えばバカみたいなセリフだが、彼女にはやたらウケが良かった。
「違いますよ。私野球部のマネージャーしたくって。」
あぁなるほど、確かにマネージャーはいるよな、なんて思って
「一緒に体験入部だっけ、行く?」
「えっ、いいんですか?お願いします!」
宮崎さんは顔を赤くして答えた。
どうやら僕は元の同級生より6年も早く青春を謳歌できるらしい。どこが罰だよ。
これから楽しい人生が送れると思うと、興奮が止まらない。
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