第1話 アルの目的①
―チュンっチュンっ―
鳥がさえずり朝を知らせる。
「起きるネ。ヨシヒサ。」
アルは、僕の足を引っ張る。
「…アル?」
いつの間にか僕は家にいた。家って言っても、残っていた武家屋敷を
「朝ごはん?」
僕は、ボヤッと尋ねる。
「お昼は
「まーぼーどーふ?」
僕は聞いたこともない言葉に戸惑う。
「美味しいネ。朝から食べるのはしんどいと思うから、昼用ネ。」
アルは、ニコッと言う。
「結局…朝ごはんは?」
「七草がゆネ!私のところだと今日は1月7日ネ。」
草粥?ああ。
〈七草粥〉
平安時代の日本の若菜摘みの文化と中国の1月7日に汁を飲み、無病息災を願う文化が合体してできたとされる。室町時代から本格的に始まり、江戸時代に節句の一つになった。
入っている七草とは、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろのこと。
僕は一口ほうばる。優しい味噌と七草の味が口の中に広がる。
「でも、結局、世界を救うってどうやってやんだよ。」
僕はハッとして尋ねる。アルが教えてくれたすぷ、スプ〜ん?ってやつをアルに向ける。
「お行儀悪いネ。でも、そうなノヨ。」
アルも深刻そうだ。
「後醍醐天皇を未来に連れてきて、民主政治を変えようとしているネ。そんなことされたら最悪地球が消えちゃうネ。存在しないはずの人間を連れてくるってそれだけ深刻なコトなノヨ。」
あれ―?一つ矛盾点がある…。
「なら、アルがここにいることは大丈夫なの?」
「…アルは、警察…侍所の奴らと一緒ネ。後醍醐天皇を未来に連れて来た奴を捕まえてもとの未来に戻すネ。その後、アルと関わった人のアルの記憶を消すネ。」
僕は胸が痛んだ。今からアルと思い出を作っても僕からは消える―。
あれ―?また矛盾点がある。
「…あのさ、アルが言ってる―後醍醐天皇を未来に連れてくる奴ってもう未来に連れてきてるのに、なんでソイツを捕まれられるんだ?」
「ココはアルのいた世界の
平行世界―。
「…それで、朝は何するのさ?」
僕は七草粥を食べきり、あぐらをかいて尋ねる。
「…ameを探すネ。」
「あめ?」
聞いたこともない言葉に僕は戸惑うこともなく落ち着いて話を聞いた。なんか、慣れてしまった。
「…ameは商品ネ。Aruは試作品、まだ研究中なノヨ。ameは戦闘特化でパターンで気持ちの感知が出来るネ。」
「ぱた…?」
ぱた…?ってなんだろう?
「…場面に応じて気持ちを理解できる。玩具が壊れたら悲しいとかネ。でも、複雑な嬉しいけど寂しいとかそういうのは理解できないノヨ。」
「ふ〜ん。」
僕は、興味なさげに返事を返す。
本当は興味津々。
「…Aruは複雑な気持ちも感知して、料理を提供するロボット、ネ。一応戦闘能力もあるけどameには劣るネ。」
「じゃあ、あめ?を探せばいいんだな?」
義久は呑気に話すのだった。
〈アルの七草粥〉
・まず、七草を買う。
→セットがスーパーに売ってることが多いネ。
・七草を軽く下茹する。
・鍋、出汁を取る。
→
・出汁の入った鍋にご飯と七草を入れて、味噌と醤油を混ぜたものを入れる。
→味噌と醤油を混ぜたものは、薄いと草感が強いから、ちょっと濃い目に入れるのがポイントネ。ご飯はオートーミールで代用しても美味しいネ。
・最後に盛り付ければ出来上がりネ!
鎌倉のアル かいるん @kairun
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