鎌倉のアル

かいるん

〜プロローグ〜 アルと義久

1333年。

まさに戦乱とよべる年―。

鎌倉幕府は滅亡した。

後醍醐天皇によって鎌倉幕府は倒幕され、鎌倉は血の匂いで、いっぱいだった。足元には屍が集う。

―ドチュッ、ズチュッ―

頭と血を交互に踏む。頭を何度も刺された者、心臓を一突きにやられた者、四肢を切られた馬。

良心なんて北条家の方々以外にはない。

海へと駆ける―。

負けてしまった者は自ら命を絶つのが筋であろう。

「アハハハハハハハハハハハハ。」

もうどうにもならない現状に笑うしかなくなった。

その時だった―。

「アマノ ヨシヒサ、ネ?」

後ろから声がして、振り向く。そこには、髪を二つに結った少女がいた。見たことない髪形だ。服も見たことがなくて、とにかく露出が多い。

「はい、天野家の長男の義久…」

「アナタがヨシヒサネ!、アル、ネ!」

アルネ―?聞いたこともないな。

「家名はないのですか…?」

僕が敬語である理由―それは、姫君であった場合とんでもない失礼にあたるからだ。

「家名―?う〜んARU02-48ダカラ…02-48ネ!」

「れーにぃーよーはち?アルネ殿はからかっているのでしょうか?」

聞いたこともない数字?の家名に僕は訝しむ。

「からかってないネ!それに私はアル、ネ!」

「発音が違いましたからアルネ殿?」

「違うネ!アルが名前ネ!」

アル―?やっぱり聞いたこともない家名に僕は眉をこれでもかというほど曲げる。

「…アルは、未来の学習型AI搭載ロボットネ。」

「えあい?ろぼと?」

えあい?に、ろぼと?と聞いたこともない言葉と未来という言葉が義久の頭の中を駆け巡る。

「AIは、人工知能。人の知識を持った機械ネ。ロボットは、人が手を入れなくても動く機械ネ。」

「未来では、そんなモノが出来るのか!?」

は、料理も作れるネ!」

アル?は興奮と言わんばかりの荒い鼻息を混じらせて話す。

「それで…?なんでその未来のろぼと?がここにいるのですか??」

「…ヨシヒサを救いに来たネ!」

「なんで僕、を、救いに?」

救う―?

義久の心の中でその言葉がこだまされた。

「…なんで?」

「未来が壊れるネ。別のロボットが、歴史を変えて地球を消そうとしてるノヨ。それをやめさせるにはヨシヒサが必要ネ。」

「…。」

「…ヨシヒサ、達を救ってくれないネ?」

「…わぁったよ!もう、生きるあてもないし。」

義久は、アルを見つめる。

「よろしくネ!」

「ああ。」

二人の影に移るのは絶望か―?希望か―?

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