2章 1部 「新たなる新天地」

  シズク達はムタイが統治していた範囲を超え、南へと向かった。

 南にずっと行くと半島の先に出る。

 その先は海なので逃げ場はなくなるが、王都からは遠くなるので監視網は緩くなる。


 一時退避するにはもってこいというわけだ。


 ムタイの領土を出て四日ほど馬で進んだ後、山奥にある小さな村へ逃れた。ここが隠れ家だ。

 この村は、先代王の失政で故郷を追われた者たちが移住した場所であり、開墾もなかなか進んでいない貧しい村である。

 そこで貧困に悩まされるこの村へ金や貴重な魔力石などを渡し、協力者になってもらっている。

 故郷を追われ王家を憎む人は多いが、利害が一致しているため、ひとまずは身を置けている。


 拠点を新しい村に構えて、シズクはすぐに行動を起こした。

 まずは、今シズク達が置かれている状況を調査するべく各地へ人と馬を走らせた。

 ほどなくして、アカリとカエデが同じタイミングで村に到着した。

 二人は着いて早々にシズクの元へ報告に向かった。

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