第2話 陰鬱な出会いと入学

『ハァ、ハァ、ハァ、ごめん、ウゥル。僕、触手とゴブリンがいないと満足できなくなっちゃった♥️』




『うわぁ!!、』


 あまりにも嫌な夢を見てまだ暗い中目が覚めてしまう。この世界に来たことで思い出したくないのに記憶に浮かび上がってしまうのかもしれない。


『早く、忘れないと。』


あぶら汗をかきながら、無理やり意識を失くそうと布団で身を包んだ。


 結局朝になっても眠ることができなかったけど。眠気に誘われながら、目的地の学校を探して俺は通りを歩く。今日は入学式。本当は人と触れ合いたくないから学校へ行きたくないのだが、この世界についての知識をとったり資格を取るために渋々といくことにした。幸い、元のウゥルくんは几帳面だったのか地図を書いてくれていたから迷わずいくことができた。


『おや?お久しぶり。』


 低めだが綺麗な声で話しかけられ、誰かとおそるおそる話しかけられた方へと振り返る。その麦色ショートの髪を見てあげそうになった歓声を無理やり飲みこむ。


 ・・・しょうがないだろう。誰でも推しに話しかけられたらこうなるはずだ。彼女はこの漫画での推し[レイア・ミスティア]金髪ショートの王子様系女子でウゥルの昔の幼馴染でのちの彼女。王子らしいクールな振る舞いと天然のギャップで心掴まれたが、のちにウゥルを人質に取られゴブリンや触手に侵され続けたことで快楽堕ちさせられてしまったトラウマでもある。

 

 つい、推しのこととなると独り言で長文を言ってしまう悪癖にうんざりしながら、今取れる最適解を取る。


 俺はその挨拶を無視してそのまま中に入った。本編だとここで再開で距離を深めていくためそのフラグを断ち切る。もちろん本当は話したくてたまらないが誰も不幸にしないためにはしょうがない。


『なんで、?』


何か呟いたようだが無理やり我慢してそのまま歩く。





 そのあとは特に何もなく始業式が終わった。クラスメイトの挨拶とかもあったが、誰とも関わらないために全て無視した。最悪だと思うけどしょうがない。そして今は、学校の中の図書館でこの世界について詳しく知るため、多くの本を読み漁ろうとしてるところだ。


『やっぱり、原作の知識だけじゃやっていけないかぁ』


  魔法の本を読みながら一人つぶやく。この世界では魔法は空気中の[マナ]という元素みたいなものを[式]を用いて出力することで発動するらしい。猿でもわかる魔法入門という本を読んでいるがさっぱりわからないほど複雑である。この世界だと俺猿以下なのか?不意にあくびが出る。そういえば今日は寝れてなかったんだった。でも、なんとか理解しなくちゃ!やっぱわからな、


 『おーい?起きなよ?』

 

 誰かに話しかけられた気がして目が覚める。俺寝てしまっていたのか?ゆっくりと俺は目を開けた。吐息が間近に感じられら距離に人がいて思わず横に急速に避ける。上に行ったらダメ!


『やっと起きたんだ。閉館時間になっても起きなかったから仕方なく公園まで運んだんだからね?』


連れてきたことに感謝しようとその方に目を向ける。



(あの、神様?いるんだったら今すぐ俺を別の世界に転生させて欲しいんだけど。なんでだって?そりゃ、)



(目の前にいる奴がレイアを快楽堕ちさせた張本人だからだよ!!!!!!!!!!!)



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NTR主人公に転生した俺は恋愛したくない。 @megumegushinja

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