第3章・第六天魔王覚醒と地底に潜む覇王

第37話 第六天魔王の咆哮と東海の守護神


本日から第3章

第六天魔王覚醒と地底に潜む覇王

スタートです。


7年後、ノッブ21歳、権六30歳

宜しくお願いします。



1548年 5月

南信濃を制圧してから7年の歳月が流れた─────



​1555年 7月


新しく清洲城を築城し、末森城から転居した織田信長。


21歳の冷徹な覇王へと成長し、その隣には美しく咲き誇る20歳の濃姫がいた。


だが……その傲慢さは最早

「主君」の枠を超え、神を自称する域に達していた。


​【織田家領土・情勢】


​織田の版図は、尾張・三河・遠江・駿河、そして信濃全域という巨大な「東海道・東山道帝国」と化していた。


(石高)

尾張57万石

遠江26万石

駿河15万石(今川家3万石)

三河30万石(松平家5万石)

信濃41万石

計 169万石(8万石)=161万石


​【1555年・織田信長 直臣】


柴田勝家(30歳)

織田家筆頭家老であり織田軍トップ元帥を務める。正室は信長の妹・お市の方。よって信長とは義兄弟となり織田一門衆でもある。


信長から遠江&駿河の2ヶ国38万石の国主を任命された。

織田家の家臣ではあるが、領土の運営・軍事面等々、織田宗家から離れ、独立した大名としての立場を許されている。


織田信広(27歳)信長庶兄


織田信勝(16歳)信長弟


​佐久間信盛(27歳)

織田家次席家老。主君・信長の傲慢さに怯えつつも、時折起こる宗教勢力との争い事を即座に鎮圧。


信長の癇癪かんしゃく・狂暴さに辟易へきえきうんざりしながらも必死に追従。だが本音は『勝家の元に帰り、遠江・駿河で働きたい…』と願っている。


​森可成(32歳)

攻めの三左。信長の狂気を「武士の誉れ」と信じ込み、5年前に美濃国から一家総出で尾張へ移住。信長直臣として信濃の治安維持に務める。


​池田恒興(19歳)

乳兄弟として信長に最も近く信頼も厚いのだが、残虐さが年々増す主君の変貌に戸惑いを見せる。


木下藤吉郎(豊臣秀吉・18歳)

織田家に仕え始めたばかり。


【この世を去った主な家臣】


平手政秀1553年没(史実通り)

享年61歳・病死


織田信光1555年没(史実と1年のズレ有り)

享年39歳・病死


青山信昌1549年没(史実と2年のズレ有り)

享年46歳・病死


​【信長の現在と息子達の誕生】


​織田信忠(嫡男2歳・奇妙丸)

母親は生駒吉野では無く濃姫である……信長の嫡男で1553年誕生。

だが信長は我が子すら「天下布武の道具」としか見ていない…


「この俺が産ませたのだ。生まれながらにして神の子よ」と豪語し、濃姫(20歳)への情愛すら、支配欲の色に染まっている。


織田信雄(次男1歳・茶筅ちゃせん丸)

側室・生駒吉乃の第1子。

1554年生まれ

「吉乃。俺の子をどんどん産むのだ。それがお前の戦だと思え!」


織田信孝(三男0歳・三七丸)

正室濃姫の第2子。

1555年生まれ

「2人連続男子とは、出かしたぞお濃!それでこそ俺の正室だ!」


織田秀勝(四男0歳・於次おつぎ丸)

側室・坂氏の方の第1子。

1555年生まれ


織田勝長(五男0歳・坊丸)

側室・於鍋の方の第1子

1555年生まれ


五徳姫(長女0歳)

側室・あここの方の第1子

1555年生まれ


冬姫(次女0歳)

側室・養観の方の第1子

1555年生まれ


【信長の傲慢と「ノイズ」】


信長「俺も血を分けた我が子はかわいい。だが東海道・東山道帝国を築いた今、天下布武の道を進むと決めた!

誰かがやらねばならぬなら、俺がやる!子を政略の道具に使う場合もある!違うか勝家!」


アイリス『……ノイズが酷いわね…それも悲しそう……』


勝家『才覚が突出し過ぎている。実際に悲しいんだろ……』


「殿……気持ちは理解します。だが天下布武の道は1日にして成りませぬ……それは別として、子が多いのは喜ばしきことにて……」


​「急いては事を仕損じるか……勝家、だが急がねばならぬ事もあるぞ!」


「……一向衆ですか」


「石山本願寺だけでは無い。比叡山延暦寺!あそこの坊主どもは、俺の靴を舐めるか、焼き尽くされるか、二つに一つだ!」


「義兄殿!落ち着きなされ!」


「俺は落ち着いている!比叡山におる女子供? 知るか。俺のことわりに平伏せぬ者は、この世に存在してはならぬのだ!!」


『うっわ!もうこれ人間が出せるノイズじゃないわよ勝家くん……』


『……第六天魔王に取り憑かれたか』


​信長の口から漏れる言葉は、もはや対話では無かった。


勝家とアイリスの脳内には、人間離れした信長の「心のノイズ」が流れ込む。


『殺せ。壊せ。俺が唯一絶対の法だ。逆らう者はすべて灰にしてやる!』


そのあまりにどす黒い信長の破壊衝動に、勝家とアイリスは戦慄する。


【お市との誓い】


そんな信長の行く末に不安を感じる勝家。


だが彼の傍らには、16歳となり誰もが見惚れる絶世の美女へと成長したお市がいた。


8年前に祝言を挙げた2人。

勝家は彼女を深く愛しているが、アイリスの助言に従い、指1本触れていない。


「お市……我ら2人の子供は市が18歳になるまで待ってくれ。身体の中が出来上がる前の出産は危険すぎるのだ。市とやや子の命を守るため、辛抱してくれ……」


勝家のその深い慈しみに、お市は「はい、旦那様……」と、信頼の眼差しを向ける。


『お市と、未来を担う織田家の子供達の為にも、儂は間違えてはならぬ……』


​勝家は信長に忠誠を誓いつつも、年々どす黒いノイズに変化していく彼が、ただの独裁虐殺者として終わることを危惧していた。


そしてアイリスと熟考した結果​

【柴田勝家・極秘プロジェクト】

なるものを立ち上げたのであった。

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