第36話 南信濃制圧!


1548年5月


武田信玄から南信濃地方・諏訪郡と伊奈郡を接収した柴田勝家。


その受け取りをするために信長は、尾張直轄軍1万を率いて諏訪へと入る。


勝家も織田軍元帥として2千の柴田銃・騎馬鉄砲隊を率いて同行。


無事領土引き渡しが終わり、かつて諏訪氏の居城であった山城の上原城に入城した(諏訪高島城は1590年代築城)


柴田勝家(23歳)

「殿。政務には不向きな山城で、防御に強いとは言え小規模です。諏訪湖の湖畔、高島に新しく城を築城しませんか?」


織田信長(14歳)

「うむ。守りにキャノン砲を備えれば平城で十分だな。」


「はい。儂がいま手掛けている駿河と北条の国境・蒲原城ですが、6月中には防御設備(キャノン砲&コンクリート壁)の目処が付きます。それさえ終われば、この地で普請を手伝えますが?」


「そうか!ならばそれで良い。武田が信濃から叩き出された噂を聞きつけ、北信濃の村上義清等が盛んに物見を放っている。この辺まで出張って来るのも時間の問題であろう。」


「北信濃最強の国人ですか。移動式キャノン砲と迫撃砲も備え、南信濃に1歩でも入ったら、いきなり本陣を爆撃します。」


「カカカカカw!交渉無しか?勝家w」


「その代わり此方からは攻めません。攻めてきたら敵大将の陣を全滅させるだけにて。」


───


かつて織田家中で大問題になった【人手不足】


短期間の領土拡大による弊害、内政統治を維持管理できる武将が足りなかったのだ。


だがそれは松平家の臣従。今川家臣団の織田家吸収で、内政管理官の人材確保に成功。今のところ一息ついていた。


但し松平家所領安堵は渥美郡のみ。その他三河国は織田宗家直轄地となり、内政に現金扶持払いによる松平家臣が登用されている。


これは今川家臣団も同様で、扶持は現金支給。土地の所有は一切認めていない。


───


「ところで勝家、南信濃は広い。管理できないほど広いなら、管理できるまで敵を削り取り、大衆を従属させればいいとお主は言うが、村上義清以外だと信濃守護の小笠原長時か?」


「小笠原の本拠地、中信濃に侵略してきた武田信玄と、抗争の真っ最中でしたからな。今は武田を追い払った織田家を大歓迎しておりますが、いずれ南信濃返却を打診してくるかと。」


「小笠原流家元の名門か……戦になればどうする?」


「村上義清と同じく本陣爆破、亡き者にします。」


「となると守護殺しじゃぞ?」


「幕府には、攻めてきたのは向こう。織田は自分の領土を守っただけと申し開き致しましょう。」


「南信濃が自分(織田家)の領土か(ニヤリ)」


「ええ。南信濃を実効支配していた武田信玄から、割譲を受けた公式文書も御座いまする(ニヤリ)」


「すると南信濃で唯一、信玄の支配が及んでなかった飯田城の坂西政之が目障りだな。」


「坂西氏は鎌倉時代から続く一族で、下伊那地方に深く根を張っております。

甲府から最も遠い地になる故、村上や小笠原を攻略中の信玄も、手が回らなかったのでしょう。」


「逆に尾張からは最も近い南信濃である。勝家、諏訪高島城の築城工事が始まれば、尾張と諏訪の通行にも障害となる。」


「諏訪行きの際には、固く城を閉ざし息を潜めておりましたが、帰りは降伏勧告をします。その為に騎馬鉄砲隊2千を連れて参りました。」


「うむ。諏訪には爺(平手政秀)に3千を持たせ統治させよう。」


「平手殿であれば、諏訪大社を擁する宗教と独特の文化を持つ国人衆との交渉も、難なく務められ問題ありません。

単なる武力だけでは、複雑な宗教勢力との関係性がこじれますからな。」


「うむ。最前線となる諏訪の後詰めとして、伊奈の高遠城には青山信昌あおやまのぶまさを城代として置く。2千で良いか?」


「直ぐにキャノン砲を配備致します故、2千で十分でしょう。但し諏訪も高遠にもそれぞれ、柴田銃を1千挺配備します。」


「ほお。それで柴田軍には1人で2挺、銃を持たせておったのか?」


「はい。1度キャノン砲の爆撃を味わえば、織田の城を攻めようとするバカはおりませぬ。ですが領内見回りや国境偵察の際に、柴田銃を携帯しておれば戦闘能力において雲泥の差です。」


「あい分かった。流石は織田軍元帥閣下だな勝家w

明朝、軍議を行う!帰路は7千となるが飯田城攻めの大将は任せるぞ!」


「はっ!お任せ下さい!」


​南信濃の空に、柴田銃の硝煙と築城の槌音が響く。


伝統的な土地支配を否定し、現金と火力で民を従える勝家の「新秩序」


次は下伊那の古豪・坂西政之が守る飯田城。覇王の帰路にまた1つ、血の花が咲こうとしていた。


───


今川・松平家臣団を「現金扶持」で召し抱えるという、中世の封建制を根底から覆す勝家の改革。


これは「領地欲」による裏切りを防ぎ、現金給付による織田家への絶対的な依存を生む。まさに未来の官僚制度の先駆けとなった。



これにて第2章終了です。

明日から第3章

【第六天魔王覚醒と地底に潜む覇王】がスタートします。


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m(_ _)m

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